東洋大学京北中学校
国際教育 オランダ研修プログラムを実施しました 〜エラスムス大学・欧州議会・ライデン大学・現地高校で学ぶ6日間〜
秋季期間休業中、オランダ研修プログラムを実施しました。ロッテルダム、アムステルダム、ブリュッセル、ライデン、ハールレムの5都市を巡り、大学訪問、欧州議会でのレクチャー、現地高校生との交流など、多彩なプログラムに取り組みました。
日本を離れ、異なる歴史や価値観に触れた6日間。生徒たちは、英語で伝え、質問し、考えを深めることを通して、確かな成長を見せてくれました。その様子をご紹介します。
プログラム概要
•訪問地:ロッテルダム/アムステルダム/ブリュッセル(ベルギー)/ライデン/ハールレム
•主な訪問先:エラスムス大学、欧州議会、ライデン大学、コーンハート高校 ほか
•テーマ:「世界を変える」プランの発信、EUの成り立ちと民主主義、多様な視点との出会い
◇1・2日目 ロッテルダム:海外で道を切り開いた先輩との対話
成田空港を出発し、オランダに到着。2日目は、ロッテルダムのエラスムス大学を訪れました。
お話を伺ったのは、同大学を卒業後、現地でカフェ事業を立ち上げて経営している日本人の先輩です。日本の大学受験に打ち込んだ高校時代を経て、「本当にやりたいことは何か」を問い直し、海外進学を決意。オランダで経済学を学び、卒業後は仲間とともに抹茶を軸にしたカフェを開業し、店舗を広げてこられました。同大学の現役の日本人学生も交流に加わってくださいました。
生徒たちは質問を途切れさせることなく、「どうすれば自分に正直な道を選べるのか」、「リスクのある選択をする勇気はどこから生まれるのか」と、率直に問いかけていました。「自分が選んだ道を、自分で正解にしていく」、「勇気が必要ないくらい小さな一歩を、数多く踏み出してみる」といった言葉は、生徒たちにとって自分の進路を考える大きなヒントになったようです。
午後は世界遺産のキンデルダイク風車群へ。風車で水をくみ出して国土を築いてきたオランダには、「世界は神がつくったが、オランダはオランダ人がつくった」という言葉があります。自然と共存してきた日本とは異なる歴史や世界観に触れ、違いを知ることの大切さを実感する時間となりました。
◇3日目 アムステルダム:街を歩き、歴史と向き合う
3日目は、運河の街アムステルダムでグループ別の自主研修を行いました。アンネ・フランクゆかりの地にも触れ、迫害という過酷な状況の中で書き綴られた言葉が、自分たちと同じ年頃の若者の思いと重なることを、それぞれが感じていたようです。
街歩きの中で生徒たちは、大人の言うことを鵜呑みにせず「本当にそうだろうか」と自分の頭で考えようとする姿勢を見せてくれました。美しい街並みも、歴史の影の部分も、しっかりと見つめて考え抜いてほしいと願っています。
◇4日目 ブリュッセル:欧州議会でEUの「いま」を学ぶ
4日目は、ベルギーのブリュッセルへ。二度の世界大戦の舞台となったヨーロッパで、戦争を繰り返さないために生まれたEUの仕組みについて、議事堂のスタッフから英語のレクチャーを受けました。EUは、各国が自国の文化や独立性を守りながら、同時にEUの一員として政治に参加するという「二重の枠組み」を、対話の技術によって成り立たせています。
講義の最後の質疑応答では、生徒たちが次々と手を挙げて質問する姿が印象的でした。午後には、日本の複数の省庁から派遣されている方々とのディスカッションの機会もいただき、予定の時間いっぱいまで積極的に質問を重ねました。
◇5日目 ライデン:大学生と学び合い、最終プレゼンテーションへ
5日目はライデン大学を訪問。「2050年問題」をテーマに、ディスカッションと最終プレゼンテーションに取り組みました。
最初のプログラムは、日本語を学ぶ現地大学生の読解の授業への参加です。生徒たちは学生の隣に座り、文字の書き方や助詞の使い方をサポートしたり、音読のお手本を示したりしました。日本語を楽しそうに学び、驚くほど早く上達していく学生の姿に、「悔しい」「もっと英語に向き合いたい」と刺激を受けた生徒もいました。
その後は、大学生と一緒に小グループでライデンの街を散策。続くディスカッションでは、自分たちの研究を日本語と英語を交えながら説明し、大学生からの的確なフィードバックを受けて、プレゼンテーションをブラッシュアップしました。「問題への理解が一段深まった」、「2050年問題だけでなく、音楽や好きなことの話でも盛り上がった」といった感想が聞かれました。
最後の最終プレゼンテーションでは、英語での発表と、その後の質疑応答にも堂々と対応。世界の大学で学ぶ学生たちを前に、自分の考えを自分の言葉で伝えることができました。
今回の訪問先のみなさまは、いずれも善意で私たちの生徒に学びの機会を提供してくださいました。「世界を変えたい」という高校生の真っすぐな思いが、多くの方々の協力を引き寄せてくれたと感じています。
◇6日目 ハールレム:現地の高校生との交流
最終日は、ハールレムにあるコーンハート高校を訪問しました。ハールレムは、ニューヨークの「ハーレム」の地名の由来となった歴史ある街です。
オープニングセレモニーの後、日本とオランダの生徒が混ざった小グループで校内を見学。使う言語は英語ですが、初対面とは思えないほどすぐに打ち解け、街の散策でも、美術の授業での共同制作でも、会話が絶えることはありませんでした。音楽の時間には、歌とピアノが得意な本校の生徒が演奏を披露し、その場の全員が心を動かされました。
そこには、英語を「勉強している」という感覚はありません。伝わらなければ言い換え、相手に確認し、また伝える。その繰り返しの中で友情が生まれ、心が動き、英語が自然と身についていく。生徒たちは、言葉を使う本来の楽しさを体験することができました。
おわりに
今回の研修を通して、生徒たちは、英語で臆せず発言する力、多様な価値観を受け止める柔軟さ、そして自分の考えを深める姿勢を、大きく伸ばしました。研修で得た視点や仲間とのつながりを、これからの学校生活、そして将来へとつなげていってほしいと思います。
本校では今後も、生徒が世界と出会い、自ら考え、行動する機会を大切にしてまいります。
