東洋大学京北中学校
受験生への校長メッセージ
みなさんは、昨年4月から兵庫県姫路市の教育長を務めている久保田智子さんをご存知でしょうか?かつてTBSのアナウンサーや報道記者として「どうぶつ奇想天外!」や「報道特集」など多数の番組に出演され、ニューヨーク特派員も務められた方です。
この方が産経新聞の取材へ、次のように答えられているのを見て、私は自分とそっくりな生き方をされている方だなあと思いました。
「もともと外の世界の面白さを他の人に伝えたいという思いが強かったです。」
「変化が大好きなんです。変化は自分の考えを新たにしてくれる。子どもの頃から引越しが多く、環境への適応力が鍛えられたのかもしれません。」
久保田さんは「メディア、オーラルヒストリー、教育長…。異世界に見えても、軸はぶれていない。」とも仰っています。
私も大阪市旭区、奈良県橿原市、大阪府柏原市、奈良県大和郡山市、埼玉県与野市、埼玉県川口市、茨城県牛久市、神奈川県大和市、相模原市南区、東京都八丈島八丈町と引っ越して来ました。私も中2の頃になりたかった職業は教員か、アナウンサーか、弁護士でした。どの職業も口を使って、多くの人に理解して貰えるよう努力する仕事です。ひょっとすると教員になったのも生徒とは反対側の「異世界」を伝えたかったからかもしれません。教員になってからも様々な立場を経験してきました。「異世界」から見る反対側の世界は、実に深く魅力的です。今までの繰り返しが通用しない「異世界」は、常に新しい物へのチャレンジの世界です。
さて、そんな久保田さんがアメリカの大学院で学ばれたという言葉をご紹介します。
「助手席や後部座席に座っている人生は楽しくない。」
確かに助手席や後部座席は安全かもしれません。一方ドライバーには、時に命と引き換えになる大きな責任が伴います。常に安全なところへ身を置くのではなく、折角の自分の人生ですから、少しチャレンジして運転席へ座ってみませんか?
受験は、自分が自分の人生のドライバーになるという大きなチャレンジです。そろそろ助手席や後部座席にいる勉強から、ドライバーとして行ったことのない、通ったことのない未知への道へ一歩、踏み込んでみませんか?きっと新しい世界が見えてきますよ!