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郁文館中学校

【起業塾】地元ブランドを担う養鶏業のプロに学ぶ「挑戦と信頼の経営」とは

郁文館では、東証プライム企業の経営者でもある本校の渡邉理事長を専属メンターとし、高校生起業家の輩出を目指す「起業塾」という特別講義を展開しています。
起業塾には、時代を先導する現役の企業経営者に直接講義を行っていただくプログラムがあります。今回はその一環として、養鶏業を営む「こっこ株式会社」代表取締役の末永 光佳(すえなが・みつよし)さんを山口県からお招きし、特別講義を実施しました。

末永社長は、税理士事務所勤務を経て家業である養鶏業を4代目として継承。
人口1万人あたりのやきとり店舗数が日本トップクラスを誇る「やきとりのまち」山口県長門市にある「こっこ株式会社」は、「こっこの事業を通じて、お客様の幸せを想像し、豊かな社会づくりを行う。」を経営理念とし、地域の主要産業である養鶏業を引き継ぎ、ブロイラー( 短期間で出荷できる肉用の若鶏)の生産に取り組み、持続可能な地域の養鶏産業の実現を目指しています。

講義の中では、経営者として困難に直面したお話もありました。
台風被害による出荷損失、設備投資による一時的な資金繰りの悪化。そのどれもが経営にとって大きなリスクであり、判断を誤れば会社の存続すら危うくなる場面もあったといいます。
「安定して事業ができたらいいな」と思っていた時期もあったが、「事業に安定は絶対ない」と話す末永社長は「ピンチこそチャンス」と捉え、地域の飲食店とコラボレーションしたお歳暮セットの商品開発、オンライン販売といった新たな事業を展開し、さらなる挑戦を続けていきたいと話しました。地域事業者が巨大な冷凍庫や加工工場などを1から作ることは厳しいが、“いま、あるものを生かす”挑戦は大切という話を、生徒たちは真剣にメモを取っていました。

人が持つ可能性を信じ、幸せを想像し、明るい未来社会づくりに貢献するべく、「短所を無理に一人で補わせず、それぞれの長所を伸ばす」「人それぞれの成長のスピードに合わせて任せる」という末永社長の経営スタイルは、社員一人ひとりの個性や力を尊重したもの。短所はほかの人がフォローして仕事を進めれば、働きやすい環境を提供できると話す末永社長は、経営者と社員の信頼関係が企業の成長を支える大きな原動力になっていることを実感する内容でした。
また、自身の育児経験をきっかけに、農業では実現が難しいとされていた育休制度や週休二日制といった労働環境を整えたエピソードも紹介され、経営者の視点と生活者の視点、両方から会社づくりを考える重要性について生徒たちは理解を深めました。

貴重なお話の後、「当時の経営問題点として他社との差別化ができていなかったとのことですが、現在はどんな差別化を図っていますか?」「起業して最もよかったと感じた瞬間はいつですか?」などたくさんの質問が寄せられ、末永社長は実体験を交えながら丁寧に答えてくれました。
講義後、生徒たちから「経営の厳しさと面白さが伝わってきた」「地域密着型の強みを感じられた」「挑戦を続ける姿勢に感銘を受けた」といった声が寄せられ、起業について、より理解を深めた貴重な機会となった今回の起業塾。
生徒たちはこの学びを生かし、今後も夢の実現に向けて努力を重ねていくことを願います。

■末永 光佳(すえなが・みつよし)氏
・こっこ株式会社 代表取締役

【起業塾】地元ブランドを担う養鶏業のプロに学ぶ「挑戦と信頼の経営」とは

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