独自の探究プログラム「C-AIR」で社会と向き合い、発見した成果を共有する
創立当初から探究を必修に
発達段階に応じた課題に挑戦
自修館中等教育学校は、1999年に創立。創立当初から21世紀が求める人材育成という観点で、生徒一人ひとりが興味・関心のあることを追究することや体験的な学びを重視し、全国に先駆けて探究の授業を必修としてきました。2020年には創立20周年を機に独自の探究プログラム「C-AIR(シー・エア)」を導入。C-AIRとはChange and Collaboration-oriented Agency through Inquiry and Research(変化と協調に向け、探究を通じて、社会を動かす力)の略で、1・2年生はグループ学習により探究活動の基本サイクルの習得、3・4年生は12の学術分野に分かれてのゼミ活動、5年生は自由なテーマ・形態の発展研究、6年生は選択制で自由課題による探究活動を行います。今回は探究力開発センター・研究開発室長の海老名豊昭先生(社会科)と5年生の齋藤帆夏さん、家合幸呼さんに探究活動の学びについてのお話を伺いました。

左から海老名豊昭先生、5年生の齋藤帆夏さん、家合幸呼さん
興味・関心のあることを探究し、
成果は文化祭でも発表
齋藤さんは「世界の伝統的な遊びが与えるリハビリテーションの効果」、家合さんは「心理学アプローチによる人種差別解決法について」というテーマで探究課題に取り組んでいます。齋藤さんは3・4年生のゼミ活動「子どもの自尊感情を高める」のテーマから子どもの医療的貧困に関心を持ち、父が理学療法士であることから作業療法にも興味があり、このテーマを設定しました。世界の伝統的な遊びに着目したのは韓国のドラマ「イカゲーム」がきっかけで、日本にはカルタ、コマなどの伝統的な遊びがあり、ブラジルならサッカーが子どもの遊びとして根付いていることから、これらが必要なリハビリ治療を受けにくい環境にいる子どもたちのために役立つのではないかという仮説を立てました。今後は他の国々の伝統的な遊びも調べて探究を進めていく予定です。

「企業×高校生で事業を作ろう! 宇宙共創プロジェクト」で宇宙ビジネスの新しい商品開発をプレゼンする生徒たち
一方、家合さんはテレビ番組で海外の貧困をリポートしているのを見て、その中で人種差別について取り上げていたことから、心理学的アプローチで人種差別を解決することができないかを考えました。図書館で関連の書籍を借りて読んだり、南アフリカに詳しい拓殖大学国際学部教授の宮内洋平先生の論文も読んで、ゼミの担当の先生と一緒に直接、話を聞きに行ったりもしました。さらに、探究学習の海外プロジェクトにも選抜され、夏休みに齋藤さんは台湾、家合さんはマレーシアに研修に行きます。齋藤さんは台湾の伝統的な遊びを、家合さんは多民族国家で人々がどのように共存しているのかを調査する予定です。
海老名先生は「探究学習は学校の外にも目を向けて、いろいろな人の視点をとりこみながら自己開示し、やりたいことに結びつけることが大切です。そのため、外部の探究関連イベントなどに参加する機会も用意しています」と話します。10月の探究発表会、11月の自修祭(文化祭)では生徒の探究発表が行われるので、足を運んでみてはいかがでしょうか。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
自修館中等教育学校
[学校HP]https://www.jsk.kojo.ed.jp
〒259-1185 神奈川県伊勢原市見附島411 Tel.0463-97-2100
最寄駅/小田急小田原線「愛甲石田駅」からスクールバス5分(徒歩18分)
JR東海道線「平塚駅」からスクールバス25分