私学探検隊

“オール女学館 調和”をテーマに、受け継がれる新たな伝統

明治期に、女子教育の
礎として誕生した伝統校
1888(明治21)年に開校した東京女学館は今年、広尾移転100周年、創立135周年の節目の年を迎えています。建学の精神「国際性を備えた知性豊かで気品溢れる女性の育成」には、初代総理大臣の伊藤博文をはじめ、西洋文化と対等に渡り合うために女子教育の必要性を願った先人の思いが詰まっています。
関東大震災で校舎が全壊した同校ですが、その年の11月には広尾の仮校舎で授業を再開させました。「5代目館長の渋沢栄一をはじめ関係者らが尽力した結果でした。学びに対する当時の熱い思いが感じられます」と校長の渡部さなえ先生。
こうした建学の精神を受け継ぎながら、同校は現在「インクルーシブ・リーダーシップ」「国際」「品性」を教育活動の柱としています。英語教育に特化した国際学級(1学年1クラス)を2004年に開設。コロナ禍で滞っていた海外研修も再開され、今年は国際学級の「ボストンリーダーシップ研修」(高1必修)も実現しました。

歴史と伝統に支えられ
社会に貢献する女性を育成
異文化交流で視野を広げたいと留学を希望する生徒も、年々増えています。今春、医学系学部に進学した内の2名は国際学級と一般学級の留学経験者でした。「2人とも留学を機に医学の道を志し、帰国後に文系から理系に進路変更しました」

高3のダンス「カドリール・プロムナード」の最後を飾った「奏功」の人文字。“自由に羽ばたく”意味を込めた

4年ぶりにフルスケールで開催された体育大会の伝統のダンス「カドリール・プロムナード」は1948年から始まったもの。「当時の体育の村上いま子先生が、戦争末期の学徒動員の行進の光景から強く平和を願い、戦後の教育に学ぶ生徒たちに新しい時代を切り拓いてほしいと考案したそうです」と渡部校長。100年史に紹介された逸話に、受け継がれる伝統の重さを感じさせます。

“オール女学館”で
新たな歴史に向かう
節目となる今年は、広尾移転100周年のシンボルマーク公募、移転100年史の編纂、記念式典などさまざまな行事が続いています。

創立記念日9月11日の記念式典に向けて、練習中のスペシャル・オーケストラ

「在校生や卒業生はもちろん、この間、地域の方々に支えられて現在の東京女学館があると痛感しています」
次の100年を見据えた“オール女学館 調和”というテーマを掲げて挙行される大規模な式典は、創立100周年に次いで2回目。ハイライトは “オール女学館”によるオーケストラ演奏です。指揮はオーケストラ部顧問の松本春佳先生。「小1から在校生のお祖母様まで、総勢104名のスペシャル・オーケストラを編成して、エルガーの『威風堂々』を演奏します」
在校生・卒業生・保護者・教員で構成された祝典オーケストラの演奏はまさに“オール女学館 調和”を象徴する場面となるに違いありません。

広尾移転100周年のシンボルマークを公募

渡部さなえ校長(左)とロゴをデザインした池田奈那子さん(高2)

在校生の公募作50数点の中から選ばれた池田奈那子さん(高2)の作品は、「最初から完成度が高かった」(渡部校長)。絵を描くことと幼虫から孵化させるほど蝶々が大好きな池田さんは、小学校から東京女学館に通っている。「蝶々から制服のリボンを連想して、小学校の赤色と中高の青色のリボンの2色をイメージカラーにしました。蝶々から重ねて引き出した2色の軌道は学校の歴史や伝統、小・中・高の調和した関係性を表現しています。校章に見立てた星は赤と青の混合色である紫色を使い、末広がりに繋がる8角形の星型に学校の明るい未来を願う気持ちを込めています」

池田さんが応募したロゴの原画。「色の表現と手書きにこだわりました」

欧文の文字以外は、ほぼ原画のコンセプトを生かした広尾移転100周年ロゴ


※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

東京女学館中学校
[学校HP]https://tjk.jp/mh/
〒150-0012 東京都渋谷区広尾3-7-16 Tel.03-3400-0867
最寄駅/
メトロ日比谷線「広尾駅」徒歩12分。JRなど「渋谷駅」・JRなど「恵比寿駅」から
都営バス10分「東京女学館前」

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