私学探検隊

2016年に完成した自慢の図書館。利用方法を学び、本に親しみ、将来へつなげる

読みたい本は自分で選ぶ、そんな生徒を育てる

入学後のガイダンスでは、図書館の使い方など基本的なことを学ぶ

入学後のガイダンスでは、図書館の使い方など基本的なことを学ぶ

校訓は「愛・知・和」。愛情と思いやり、高い視野と豊かな教養、知性と良識を兼ね備えた人間の育成を校訓とする大宮開成。2016年に完成した2階建ての図書館は、まさに教養を身につける場所です。
以前は小規模な図書室でしたが、新しい図書館になってからは、司書の先生が2名常駐。学校が開いている時間は図書館も開いていて、利用しやすくなりました。
「図書館が完成したことにより、図書館を利用した教育に力を入れるようになりました」と話すのは、国語科で図書館委員会と文芸部の顧問の小林絢子先生。まず入学すると、図書館の利用法についてのガイダンスがあります。貸し出し方法から分類など、司書の先生の説明を受けます。
朝読書も毎日20分間あり、読んだ本は記録します。生徒たちは読んだ本をタイトルや出版社なども含めて1冊ごとに記録します。また、1年間をかけて、図書館の全分類の本をチェックします。中3では新書や単行本、文庫の違いについても学びます。
新書はレベルごとにコーナーが設けられています。やさしめのものは「ちくまプリマー新書」など、難しめのものは「岩波新書」などを薦めています。
「いろいろ仕掛けていますが、最終的には“自分で読む本を選んだ”という実感をもってもらうよう指導しています」(小林先生)

本の中から先輩や先生を見つけてほしい

図書館の入り口には図書委員による展示コーナーがあります。取材した日は高校生が薦める「住野よるの本」「ファンタジー世界へ」と高校生の「百人一首特集」「三国志の世界」のコーナーがありました。「住野よるの本」では、何冊か本が貸し出されているようでした。
「正直、私たち司書や教員など大人がどんなに読んでもらいたい本を選んでも、生徒たちにはあまり響かないのです。ところが、図書委員が薦めると、とても反応がいいのです。生徒の読みたいものや感性は、同じ生徒だからこそ通じるものがあるのでしょうか」と話すのは司書の三屋綾子先生。
図書委員は、購入する本の選書にも参加します。それもあってか、生徒たちに人気の委員会だそうです。「図書委員の仕事の楽しさが、生徒に伝わっているのですね」(三屋先生)
中学主任の越阪部(おさかべ)晋先生は、「本を読むことにより、さらに広く深い世界があるということを知ってほしい。そして、大学に進学したとき、幅広い選択肢の中から研究テーマを選んでほしいと思います」と言います。
小林先生は、中学生だからこそ本に親しんでほしいと言います。
「私は以前、高校で教員をしていました。中学に来て驚いたのは、“思春期”真っ只中だということです。そんな思春期の悩みを抱える中学生の支えになるのが、本なのです。本は人生の師であり、先輩です。ですから、中学生にこそより多くの本を読んでもらいたい。そして、本の中にも人生の師や先輩を見つけてほしいと考えています」(小林先生)

 

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

大宮開成中学校
[学校HP]https://www.omiyakaisei.jp/
〒330-8567 埼玉県さいたま市大宮区堀の内町1-615 Tel.048-641-7161
最寄駅/
JRなど「大宮駅」徒歩25分、または国際興業バス7分「天沼町(大宮開成中学・高等学校前)」。
登校日朝にはノンストップ直行便あり。

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