私学探検隊

自由な発想と気づきが“考える力”を培う

歴史の授業に見る鷗友学園の学びの柱

鷗友学園の歴史学習には2つの柱があります。ひとつは「なぜ?を大切にして歴史を学ぼう」。年号や出来事を機械的に覚えることは歴史を学ぶことにはならないという考えから、常に「なぜ?」という疑問を持ち、暗記ではなく、“覚えながら考え、考えながら覚える”科目と位置付けています。
もう1つは「社会の中で生きる一員として必要な力を高めていく」こと。講義を聞くだけでなく「深く考え抜く力」、「自分の考えを言葉や作品で表す力」「さまざまな他者の考えに耳を傾け、多様な考えを認め合う力」「間違いを恐れず学び合える力」「テーマや課題をクラスメイトとともに調べ合い、議論し、自分たちなりの答えを導き出していく力」など、社会で必要な力を養うことに重点を置いています。

グループ全員で意見を出し積極的に授業に関わる

グループに分かれて全員が積極的に議論する。

グループに分かれて全員が積極的に議論する。中1から話し合う練習や信頼関係作りをきめ細やかに先生がサポートしながら行うため、生徒同士が話しやすい環境作りができている

これらの柱を意識したアクティブラーニングの授業では、なるべく教科書や資料は見ず、自由な発想を大切にしています。取材時の授業内容は「古代国家を建設しよう!」。自分たちが古墳時代に続く国家をつくるとしたらどのような国家をつくるかを、グループに分かれて意見を出し合います。こうした学習で大切なのは、全員が意見を出し合うこと。自分の意見を友達に聞いてもらうことで、クラスメイトから同意を得たり、軌道修正してもらうという体験をします。認められる喜びや、自分では気づかなかったことに気づくなど、意見を交換することの大切さを実感します。他人の意見を聞いて違った解釈や考え方などを知るのも重要な要素です。そうしてグループ内で話し合った内容をクラス全体で発表します。

わかりやすく伝える発表のスキルも養う

発表にも必要なスキルがあります。内容の構成、原稿の暗記、声の大きさや話し方なども生徒たちで考え、体験しながら学んでいきます。よりわかりやすくするために必要な図や表などを用いたり、資料を用意するなどの工夫の必要性にも気づくようになります。体験を通して“伝える”技術を身につけていくのです。
先生の話を聞く“講義”から、「自分で考え、意見を交換し、他者へ伝える」という積極的な関わりへと展開させる授業は、今回取材した歴史以外の教科でも行っています。そのたび生徒たちは同様の体験を重ねていきます。繰り返し経験していくことで、社会で必要なさまざまな力を身につけていくのです。

学年の始めにシラバス(下図)を確認し、この授業が今後ほかの科目にどうつながっていくのかを生徒が理解したうえで授業を進めていく。

中1地理
中2歴史
 中3現代社会
    公民
    沖縄修学旅行
 <高校地理歴史>
   高2選択日本史
     選択世界史
     選択地理
 <高校公民>
   高1必修倫理
   高3必修政治経済

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

鷗友学園女子中学校
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