言葉を超えて通じ合う喜び。台湾・ベトナム研修で得た絆が、世界を身近にし、未来を広げる
現地大学生との交流にグルメ…
盛りだくさんの台湾研修旅行
中学3年生が参加する希望制の海外研修旅行。台湾研修は、昨年度の59名から76名へと参加者が増え、生徒たちの関心の高さが伺えます。4泊5日の行程の中で、生徒たちは現地の大学生との交流や文化体験を通じ、隣国への理解を深めました。
参加の動機は生徒によって様々です。鉄道研究同好会に所属する森下さんは、「鉄道模型コンテストに台湾の高校が参加しているのを見て興味を持ちました」と話し、大澤さんは「兄が以前この研修に参加して、すごく楽しかったという感想を聞いて」と、家族の体験談が後押しになったと語ります。
研修では、致理科技大学の応用日本語学科の学生と交流。学内での交流に留まらず、後日現地の大学生1~2名が少人数の生徒グループに同行し、終日市内を観光する独自の2段階での交流システムが導入されています。事前に生徒たちが立てた計画を現地学生に送り、当日のルート調整を行うという綿密なやり取りを経て実現しました。
森下さんは、大学生との個人的な対話を通じて大きな意識の変化があったと言います。「実際に友達ができると、台湾にまつわる世界情勢のニュースを見ても、その人の姿が頭に浮かぶようになった。世界のニュースがひとごとではなくなり、自分に関連することとして考えられるようになりました」と語ります。
台湾の人々のホスピタリティに直接触れる出来事もありました。最終日の自由行動中、メンバーの一人が台北駅でパスポートを紛失するというトラブルが発生。森下さんたちは歩いている現地の人に英語で助けを求めました。「その方が警察署まで連れて行ってくれて、無事に見つかったんです。台湾の方の温かさを実感した瞬間でした」と、困難な状況下で受けた親切が忘れられない思い出となりました。 文化体験の面では、夜市の活気とグルメが生徒たちを魅了しました。夜市で大澤さんは現地ガイドが勧めてくれた「さつまいもボール」の味が印象に残っているそうです。「梅パウダーをかけて食べるんですが、すごく美味しかった。日本にない味に触れるのは新しい経験でした」と笑顔で振り返ります。
引率した神田先生は「台湾は電車での優先席の譲り合いや、多様性に対する理解の深さなど、日本が見習うべき点が多くあります」と述べ、生徒たちがそうした民主的な価値観や優しさを肌で感じることを期待したといいます。
研修を終え、森下さんは「音楽や文化を通じて人は仲良くなれると実感。これからも日本文化でどこまで様々な人とつながれるか探求したい」と展望を語り、大澤さんも「日本にないものをさらに体験してみたい」と、さらなる世界への挑戦に意欲を見せました。

言葉を超えた絆を育んだ
ベトナムの7日間
ベトナム研修旅行に参加した和波さんは、以前ボーイスカウトの活動で韓国の同世代と交流した経験から、「海外の同年代の人たちと交流するのは面白いと思った」と語ってくれました。一方、羽部さんは「ご飯が美味しそうで活動も豊富なベトナムがより楽しそうだと思いました」と、好奇心がきっかけでした。
研修のメインイベントは、現地の中学校や少数民族の村での交流です。ランビンでは、色鮮やかな民族衣装をまとった少数民族の方々が伝統の踊りを披露してくれました。「その後、見よう見まねでダンスに加わり、最後はキャンプファイヤーを囲んで全員で踊りました。言葉を交わさずとも、その場の雰囲気でお互いニコニコ笑い合い、盛り上がれたのは本当に貴重な体験でした」と、現地での一体感を熱く語ります。
現地中学校での交流では、事前にペア決めが行われ、生徒が特定の相手としっかり向き合える環境が整えられました。日本文化の紹介として和波さんたちが用意したのは「将棋」でした。「ルールを説明するのは日本語でも難しいのに、英語や翻訳アプリを使って伝えるのはさらに一苦労でした。でも、お互いに失敗しながらも、なんとか分かり合おうと試行錯誤する過程そのものが楽しかった」と振り返ります。
一方、羽部さんは現地の遊びを通じて交流を深めました。「重りがついた羽根を蹴り合う、ダーカウという現地の遊びを教えてもらいました。自分がやったことのない遊びでも、一緒に体を動かすことで、気づけば言葉の壁を忘れて熱中していました」と、遊びという共通言語の強さを実感していました。
こうした交流に加え、生徒たちの先入観を大きく覆したのが、ベトナムの「日常」です。羽部さんは治安面に不安を感じていましたが、「実際に行ってみると日本と同じくらい安全で、街も綺麗。食事もどれも美味しくて驚きました」と言います。和波さんも「行く前はどんな生活をしているか想像もつきませんでしたが、実際に目にしたことで一気に身近に感じるようになった」と、現地を歩くことで、漠然とした先入観が、具体的でリアルな実感に変わったことを明かしました。

引率した本城先生は、交流をメインに据えたこのツアーの狙いを「海外に友達がいるという、中学3年生にとって特別な自信を持ってほしい。文化は違えど同じ世代として共鳴できることを知ってほしい」と語ります。内向的な生徒も積極的にコミュニケーションを取り、仲良くなって帰ってくる姿に、大きな成長の手応えを感じたといいます。
「1週間だけでは知れなかったことがたくさんある。将来、ベトナムに関わる仕事があれば積極的に関わりたい」と将来を見据える和波さん。そして、「言語が違っても楽しく過ごせると分かって、海外の人と関わる抵抗感がなくなりました」と自信を深めた羽部さん。ベトナムの地で育まれた友情は、彼らの心の中に、世界へと続く確かな架け橋を築いたに違いありません。

台湾研修旅行に参加し、今回お話を聞かせてくれた生徒たち。左から和波恵太郎さん、羽部駿之介さん(ともに取材時高1)
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
鎌倉学園中学校
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