私学探検隊

国内外の体験から社会の課題を学び、未来を切り拓く探究の軌跡。

ゴミ拾いから
「ナノテラス」までの探究軌跡

 横浜女学院では、生徒が社会の実態に触れ、自分の学びの軸を見つめ直すきっかけとして、国内外での多様なスタディツアーを実施しています。三つの事例を紹介します。「ブータン」「対馬」「鳴子」の三つです。
 第一の「ブータンスタディツアー」では、ブータンの首都ティンプーの学校を訪問します。現地の生徒と交流を深めます。直面するのは、国内産業の不足により優秀な人材が海外へ流出してしまうという厳しい実態です。標高差のあるポブジカでは、環境保護の観点から民家に泊まるホームステイを体験。言葉の通じない相手と心を通わせる時間は、経済発展や観光のあり方、「本当の幸せとは何か」を深く見つめ直す貴重な機会になります。

5月実施ブータンスタディツアー

「感じ、考え、

つながる旅」

になりました

 第二に「対馬スタディツアー」では、生徒は対馬の海岸を埋め尽くすゴミの漂着を目にしました。生徒は到着後すぐにゴミ拾いを行いましたが、リサイクルセンターで「強度の劣化により、再生にはさらなる石油が必要で、ほぼ利用できない」という事実を突きつけられました。「リサイクル=善」という常識が、実は自然破壊を生んでいないか。現場での体験は、強い批判的思考を促します。先に体験し、後から背景を学ぶことで、社会問題の複雑さを身体で理解します。この体験から、文系から理系へ進路を転換する生徒も現れています。
 第三の「鳴子スタディツアー」は、学校の机と椅子の縁から始まりました。生徒たちは地域の炭素循環に真剣に取り組む大人たちと出会いました。この出会いがきっかけとなり、大学の研究者と共に進める高度な探究活動へと発展しています。生徒たちは「タイのウロコからプラスチックに代わる新しい素材を作れるのではないか」という独創的な仮説を立て検証するため、東北大学にある次世代放射光施設、巨大顕微鏡「ナノテラス」を活用。大学教員の専門的な指導のもと、科学的なエビデンスに基づいた素材開発の研究にも取り組みました。
 また、地域で生ゴミからメタンガスを生成する装置を目の当たりにし、その仕組みに深い感銘を受けた生徒もいます。「自分たちの学校でもこれを再現したい」と考えた生徒は、実際に装置を学校内へ導入しました。生ゴミからメタンガスを作る装置に感動した生徒が、実際に装置を学校へ導入。文化祭での活用や学会発表へと繋げています。

「ナノテラス」での実験の様子

日常の学びを広げる
土曜チャレンジ

「土曜チャレンジ(ドチャレ)」は、中1から高2までの生徒が学年の枠を超え、刺激し合いながら学ぶ月一回の探究プログラムです。 毎月、学内の教員ではなく、卒業生や保護者、大学教授、企業、NPOなど社会の第一線で活躍する人々を講師に招き、約30もの多彩な講座を開講します。自分の興味がある分野を深掘りすることはもちろん、「未知との出会い」も大切にしています。

土曜チャレンジ「デッサンのコツ」

 講座の内容は、将棋、ヨガ、K-POPダンス、ウクレレといった教養から専門的な講義まで多岐にわたります。SNS時代、自分の好きな情報だけに囲まれている生徒たちに対し、多種多様な分野の刺激を用意しています。「たまたま受けた講座」で新しい世界を知ることが、将来の学びの軸を構築するきっかけになると信じているためです。

新設予定 サイエンスクラス

2027年4月、本校は新たなサイエンスクラスの開設を予定しています。世の中が激変する中で、AIの使用を禁止するのではなく、生成AIを道具として使いこなす教育を推進します。ガイドラインを定め、AIと共に歩む未来を見据えた学びを構築。教員も生徒と共に新しい技術を学び、情報の波を乗りこなす力を育てます。 また、「女性は理系に向かない」などの社会的なバイアスがない女子校という自由な環境、思う存分サイエンスに没頭できる場を提供します。これまで培ってきた探究活動を土台に、少人数制ゼミや大学との連携を通じ、自然や社会の出来事に「驚き」を持ち、データを元に論理的に考え、他者に伝える力を育成。世界にも目を向け、未来を切り開くことを目指します。

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

横浜女学院中学校
[学校HP]https://www.yjg.y-gakuin.ed.jp/
〒231-8661 神奈川県横浜市中区山手町203 Tel.045-641-3284
最寄駅/JR根岸線「石川町駅」徒歩7分。市営地下鉄BL「伊勢佐木長者町駅」徒歩18分。

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