卒業制作で、これまでの学びの集大成を披露
作品展示会場で
優秀者が後輩へプレゼン
女子美では高校3年次に全員が「卒業制作」に挑み、優秀者には「大村文子基金女子美美術奨励賞」が授与されます。3月に東京都美術館で展示が行われ、受賞者から後輩へ向けたプレゼンテーションが実施されました。受賞した3名の声を紹介します。

生徒たちの作品は3月に上野・東京都美術館にて女子美術大学・大学院・女子美術大学短期大学部との合同で展示された
自分と向き合い、試行錯誤の
末につかんだ独自の表現
絵画コースの河住夏実さんは、女子美入学を機に離れた故郷・沖縄の記憶と、そこにある自然への再発見を主題に据えました。作品は、地元の集落で古くから大切にされてきた祈りの場である「神あさぎ」を油絵具に砂や土を用いて質感を高めて表現しました。制作を通して得た日常のメモの習慣が財産になったと振り返ります。「夏休みが終わる直前、羽田空港で書いたメモが、このテーマのきっかけになりました。自分の好きなものや思い出は、自分が一番詳しく、自分にしか描けません。だからこそそこに強い感情がこもるのだと実感しました」(河住さん)。
![]() 「神アサギ」ミクストメディアF100(タテ1303×ヨコ1620mm) |
![]() 河住 夏実さん(絵画コース) |
工芸・立体コースの倉橋千代子さんは、自己の変化と過去への執着という内面的な葛藤を陶芸の抽象形態に転写しました。窯出しでは、作品に穴が開く、ひびが入る、想定より縮んでしまうなど複数の問題が発生。それでも「『よくわからない』で終わらせず、見た人の感情に届く作品にしたい」という一心で、最後までこだわり抜きました。
大学でも立体アートの道に進む倉橋さんの目標は、さらに表現の幅を広げることです。「今後は自分の見方だけに固定されない柔軟な視点を育てていきたいです。他者や異なる考え方も理解できるような、広い視野を持った表現者を目指します」(倉橋さん)。
![]() 「追蹤」陶土、釉菜(350×750×50㎜) |
![]() 倉橋 千代子さん(工芸・立体コース) |
デザインコースの工藤里陽さんは、約12万個のアイロンビーズを用いた巨大なモザイクアートを制作しました。モチーフは工藤さん本人と妹です。出会いと別れを繰り返す人生の中で、家族関係は不変であってほしいという願いを、満ち引きし移ろう海と対比して描出しました。
中学時代は周囲に引け目を感じていたといいますが、女子美での学びを通じて自分なりの表現スタイルを確立したといいます。「デザインならアイデアで勝負できることに気づき、自分なりの戦い方を見つけることができました。それからは自分でも満足ができる作品をつくれるようになりました」(工藤さん)。卒業後はデザインの枠を超え、新たな道へと進むといいます。
![]() 「maNeT」ミクストメディア(タテ1940×ヨコ1620×髙さ115mm) |
![]() 工藤 里陽さん(デザインコース) |
自らの弱さや変化といった内面を直視し、作品へと昇華させた経験は、彼女たちに大きな自信を与えました。女子美で培った「自分と向き合う力」を糧に、卒業生はそれぞれの未来へ大きく羽ばたくでしょう。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。女子美術大学付属中学校
[学校HP]http://www.joshibi.ac.jp/fuzoku/
〒166-8538 東京都杉並区和田1-49-8 Tel.03-5340-4541
最寄駅/メトロ丸ノ内線「東高円寺駅」徒歩8分。






