ICTを最大限に活用した家庭科
プラスチック由来の
ファッションからの脱却!
「聖書」「国際」「園芸」を教育の柱にし、いのちを慈しむ精神を育むことを目標としている恵泉女学園。
「消費者教育」が専門の柳井美衣子先生が指導する家庭科は、「環境に優しく」「人に優しく」「社会に優しく」をテーマにして同校独自の授業を展開しています。

中1が翌年の新入生へ人形を贈るのが恵泉の伝統。入学して最初に挑むのは、その人形のスカート作り。レースやリボンをつけて工夫を凝らす生徒も
「本校では2020年より生徒全員分のPCが用意されているので、家庭科でもICTを活用した授業を行っています」
まず中3の授業についてお話を伺いました。
「中3の前半は災害時の避難所づくりについて学びます。実際に災害が起きた際、本校の校舎を避難所として仮定します。障害がある方、高齢者、乳幼児がいるご家庭など避難所に来る方々の属性を考え、何が必要かをPCを使って調べます。また、中3の後半のテーマは『衣生活』で、ファストファッションから途上国の労働問題、エシカル消費などについて考えます」
生徒のみなさんは、ファストファッションを中心とした服が化学繊維由来のプラスチックからできていることを知り、自分たちの普段着についても考え始めるのだとか。さらに、プラスチック由来のファッションから脱却する方法を各自が考え、環境ジャーナリスト・メーカー社員・消費者などの役割を演じて、環境サミットを行います。
最後に地球や環境に優しい素材利用を実践するため、麻ひもとかぎ針を使って「エコたわし」作りにも挑戦します。
「エコたわし作りは生徒一人ひとりのペースでPCの動画を見ながら、それぞれの進度に合わせて制作します」
仕上がったエコたわしは各々ポートフォリオにまとめて発信します。ちなみに、ポートフォリオには工夫を凝らした動画を入れる生徒もいるそうです。

中3の避難所づくり。ポスターセッションの準備の様子
一人ひとりが専門家になる
ジグソー学習
「中1ではまず人と関わるマナーについて学びます。障害のある方、高齢者の方など多様な方々に対しての“ユニバーサルマナー”について力を入れています」
ユニバーサルマナーの視点が中3の避難所づくりへとつながっています。その後、人形のスカート作り、布のブックカバー作りも行います。
「食品ロス」について考える授業も中1です。「まず『買い物』『調理』『食べる』『片付け』の4つのテーマ(班)で10人ずつに分かれます。そこからさらに一人ひとりが10個の課題を深掘りします。それぞれをエキスパート(専門家)と呼び、調べたことをエキスパート会議でプレゼンをします」
例えば『片付け』の課題だと、「洗剤」や「生ゴミの堆肥化」「フードドライブ」「子ども食堂」などが挙げられます。「これは『ジグソー学習』と言い、通常高校生レベルの学習法なのですが、恵泉の生徒は協働が得意ですので、中学生にとっても効果的です」
柳井先生は家庭科の授業を通じ、「社会問題と生活を両面から考え、生活者として自立してほしいですね。また、作る楽しみも知り、生活を豊かにしてほしいと考えています」と言います。一方、どんな生徒に入学してほしいか聞いたところ、「生活の中の『なぜ?』に興味を持てる子、科学者の視点も持てる子、生命を大切にする学校なので生命の循環に興味関心がある子に入学してほしいですね」と答えてくれました。

それぞれのペースでエコたわし作りに挑む
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
恵泉女学園中学校
[学校HP]https://www.keisen.jp/
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