週に1回の「理科実験」で理科の面白さを体験 他科目とのコラボも行い身近な「なぜ?」を探求
フィールドワークと家庭科の
コラボ授業でお米の炊飯実習
専修大学松戸中学校には理科の授業の中に「理科実験」という時間があります。理科というと大人になってから役に立たないと思っている生徒も多いようですが、実は私たちの生活に密接に関わることもたくさんあります。ただ、「通常の授業ではそれを実感できる機会がほぼありません。もっと言えば、授業で習ったことと実際の生活の中での事象が結びついていないことが多いのです」と理科主任の鈴木裕二先生は話します。
「理科実験」の中では他の科目とのコラボ授業も行っています。中学2年生で行う炊飯は家庭科とのコラボ。中学3年間、毎年フィールドワークを行っていて、中学2年生では田植えと稲刈りを体験します。普段何気なく食べているものが、実際にどうやって作られるか、身をもって学びます。田植えと稲刈りのみの体験ですが、自分が植えたものがちゃんと育つのか、天候や気温、台風などの災害などがお米作りに影響していることにも関心が高まります。そして自分たちが収穫したお米を実際に炊く作業を「理科実験」で行います。
普段は炊飯器を使うことがほとんどですが、「炊飯器ではお米と計量した水を入れたら、スイッチひとつでご飯が炊けてしまいます。炊飯器ではご飯が炊ける過程はわかりません」と鈴木先生。「理科実験」では、ビーカーにお米を入れて炊けていく工程を観察。お米の動きや、泡が出てきたり、吹きこぼれたりする様子など、生徒たちにとっては新しい発見がたくさんあるといいます。「理科実験」は知識として頭ではわかっていたことを実感する、体感するという貴重な機会。「時間を計りながら温度変化を見たり、火加減を調節したり、お米を炊くことからいくつもの学びを実感します」と鈴木先生。
さらに、お米ともち米の違い、でんぷんについてなど、派生した内容も調べていきます。鈴木先生は「生徒は感じた疑問を自分で調べていく、この流れもとても大切で、暗記がメインの勉強ではなかなかできない体験になっています」と話します。

座学だけでは気づかなかった
新たな興味や探究心が芽生える
「理科の勉強というと、どうしても受験のための知識を身につけることがメインになってしまいます。暗記ばかりの勉強では覚えたとしても実感もなく、日常に生きてこないことも。例えば化学反応で“色が変わる”と知っていても、実際に目の前で色が変わっていく様を見ると、驚いたり、ワクワクしたりします。そんな理科の楽しさを生徒たちに体感してほしいですね」と鈴木先生。
「理科実験」を通して自然現象への広い視野、深く考える習慣を身につけ、日常生活の中でも「なぜ」「どうして」と疑問に思ったり、不思議だと感じたりしたことにより興味関心を持ち、探求していくことで、深い思考力も身につきます。受験勉強とは違った、楽しみながら学び、考える力や気づく力、そして探求していく力を身につけているのです。

「実験で理科好きを増やしたい」と語る理科主任の鈴木裕二先生
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
専修大学松戸中学校
[学校HP]https://www.senshu-u-matsudo.ed.jp/
〒271-8585 千葉県松戸市上本郷2-3621 Tel.047-362-9102
最寄駅/JR常磐線「北松戸駅」徒歩10分。京成松戸線「松戸新田駅」徒歩15分。
