私学探検隊

「NEXT 20 プロジェクト」で始まった新行事 中3「沖縄国際平和研修」で国際的な視野を育む

平和祈念資料館がある平和祈念公園にて。

真の思考力は体験とともに
五感を揺さぶるフィールドワーク

中高一貫部を開設して20年。6年一貫教育をより充実させることを目的に、2025年度より「NEXT20プロジェクト」をスタートさせている大宮開成中学校。これまで積み上げてきたプレゼンテーション教育・グローバル教育などの取り組みを一層充実させ、授業カリキュラムの刷新や中3時の「TXクラス」新設、ハイレベルゼミ開設などさまざまな教育改革を実施。東大・京大・国公立大学医学部や難関私立大学への現役合格を目標にした学力向上に大きく舵を切っています。
「NEXT20プロジェクト」による大きな変革の一つが、学校行事です。「実体験ほど学習効果の高いものはない」として、五感を揺さぶるフィールドワークを積極的に実施。中1のサマーキャンプ、中2の奈良・京都伝統文化研修に続いて、今年度から新たに中3の「沖縄国際平和研修」をスタートさせました。

毎夕食後に設けた
「平和学習振り返り」の時間

現地の下見を含めて準備を進めてきた教頭の小林佑樹先生は、同研修について「沖縄の歴史と現在を知ることで、国際的な視野を育む平和学習」と話します。
沖縄の過去(戦争)・現在(自然と文化)・未来(国際平和)をテーマに、「現地でしか体験できないものを全部詰め込んだ」濃密なスケジュールを作成。生徒たちは戦争中に人々が避難したガマ(洞窟)に、実際に懐中電灯を持って奥底の方まで降りたり、沖縄国際大学の学生ボランティアの案内で米軍基地を一望する高台にも行き、沖縄の現実を五感で感じていました。「ひめゆり平和祈念資料館には自決したひめゆり学徒たちの作文も展示されていて、同年代の生徒たちも強い衝撃を受けたようでした」
研修期間中は毎夕食後に、「平和学習振り返り」の時間を設けました。「しおりに感想を書いたりグループごとに話し合いながら体験を共有し、きちんと言葉にして大事なことを伝え合う」ことで、生徒たちの理解がより深まると考えています。

↑1日の終わりに取り組んだ「平和学習振り返り」の時間。しおりには、生徒たちの感想がびっしり書き込まれていた。

高1の海外研修(オーストラリア)の前に行うのは、「沖縄国際平和研修」を国際理解教育の土台づくりと位置付けているから。「グローバル教育=英語と考えがちですが、沖縄の地から日本の課題やアジアの国際関係を知って世界に目を開いていく発想が重要なポイントです。グローバル人材のベースを育む企画にしていきたい」と小林先生は話します。

「人の痛みがわかる」
調和の取れた人間教育を目指す

校訓「愛 知 和」のもと、同校は調和の取れた人間教育を目指しています。「愛」とは利他の心=他者に思いを致すこと、「知」は豊かな知識・知性であり、「和」は愛と知の調和、多様性と意味付けています。
「沖縄国際平和研修」には、グローバル教育と同時に、人間教育の基盤となる「人の痛みがわかる者」を育てる意図も込められていました。15歳の生徒たちが感じるものは濃淡さまざまだったかもしれません。それでも、体験学習や学校行事で生徒たちが五感に刻んだ記憶をいつの日か芽吹かせ、社会に役立つ人間となってくれることを願う、先生方の志の深さに思い至ります。

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

大宮開成中学校
[学校HP]https://www.omiyakaisei.jp/
〒330-8567 埼玉県さいたま市大宮区堀の内町1-615 Tel.048-641-7161
最寄駅/JRなど「大宮駅」徒歩25分。「大宮駅」から国際興業バス7分「天沼町」。登校日朝にはノンストップ直行便あり。

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