「人間是宝」の精神で、グローバルに活躍する人を育て社会に送り出す教育を実践

勅使河原貞(てしがはらみさお)校長
教頭を経て、2025年4月より
埼玉栄中学・高等学校の校長に就任
中高6年の一貫教育で
将来を見据えた体験と学びを
2025年4月から埼玉栄中学・高等学校の校長に就任した勅使河原 貞先生。大切にしているのが、創設者・佐藤栄太郎氏の理念「人間是宝」です。
「人こそが宝であり、その人を磨き上げて社会に送り出すことが教育の使命です。この精神は時代が変わっても不変であり、本校の教育の根幹でもあります。学んだ力を社会に還元し、国家や地域に役立つような社会貢献ができる人材を育てていきたいと思っています。
そのために中高一貫の6年間は、将来を見据えたさまざまな学びや体験を重ねて、課題解決力や発信力をつけていくことが重要だと考えています」(勅使河原校長)

始業時刻の少し前に登校し、朝読書を実施
こうした理念は教員一人ひとりとも共有。授業力を高めつつ学校全体で生徒を支える体制を築いています。
校長着任後、取り組んだのは、学校全体の雰囲気を整えることでした。毎朝、校長自らが校門に立ち、登校してくる生徒たちとあいさつを交わします。その姿を見るうちに、自然と生徒たちからもあちこちであいさつの声が上がるようになりました。
「朝の校内放送では『朝のことば』を実施。その後、黙想の時間を持つことで、1日のスタートが落ち着いた雰囲気になっています。その結果、授業にも集中しやすい環境が整いました」
【教育】
3つのクラスごとの
目標に取り組む

量子科学技術研究開発機構を訪問(医学クラス)
埼玉栄中学校では、入学時から医学クラス・難関大クラス・進学クラスの3つのクラスに分かれた教育体制を整えて、クラスに応じた学びを実践しています。
「クラスごとに目標に向かってしっかり取り組むことを目指しています。中学受験段階からはっきり目標を持つことで、いま自分が何をすべきかを具体的に考えられるようになります。成長に伴い進路への志望が変わっても柔軟に対応できるように、年度ごとにクラス変更も可能です」
医学・難関大クラスでは、英語や数学では非検定教科書を用いて先取り教育で発展的な学びを行っています。一方、進学クラスでは幅広い進路を視野に入れたカリキュラムを整備。中学段階から学習習慣を身につけて基礎学力定着を徹底します。
将来的な進路へのモチベーションにつなげる体験も充実しています。医学クラスでは大学の医学部訪問や実習体験で専門的な学びに触れる機会があります。
「医学生と席を並べて大学の講義を受けたり、解剖実習を一緒に行ったりすることも。このような体験の積み重ねが、『将来、医師になる』という生徒たちの強い気持ちを育てていきます」
難関大クラスでも東大資料編纂所を見学。豊臣秀吉が書いた書状のレプリカなどを見ることで知的好奇心が刺激されます。
面倒見のよさも同校の特徴です。1学年120名の定員に対して、6年間を通じて非常勤を含めた約240名の教職員が生徒の成長を見守ります。ICTを積極的に活用しながら、生徒の学習理解度を把握し、個人それぞれに合わせてサポート。0限や放課後の7時限授業では、希望制で英語・国語・数学の演習も実施しています。

【行事】

秩父の校外学習で紙漉き体験(中1)
中高時代を彩り
刺激を与える行事と体験
生徒の視野を広げる体験学習や行事も数多く用意されています。
中1の校外学習では秩父での紙漉き体験や、水上での民泊体験では伝統文化に触れます。中2は鎌倉で歴史文化を学び、京都・奈良で座禅を体験。
また、同校独自の取り組みといえるのがパラスポーツ教育です。年に1度、パラリンピック種目のボッチャやゴールボール大会を実施。さらにはパラリンピック選手や障害者の方と盲導犬を招いた講演も行われています。
「いろいろな立場の人の話を実際に聞くことで、思いやりのあり方や具体的なサポートについて生徒たち自身が考えるきっかけになりました」
また、勉強もスポーツも盛んな同校では、東大生からオリンピック選手まで、幅広い先輩たちがいるのも魅力です。
「生徒たちは、本校OBである貴景勝関の断髪式も見学しました。社会で活躍する先輩の姿を見ることは、大きな刺激となったようです」
【グローバル】

実際に海外を訪れることで得られる体験が
豊富な海外体験のチャンス
自分の言葉で発信する力を
「日本を理解したうえで、世界に発信できる人材を育てる」(勅使河原校長)ため、国際教育にも注力しています。2026年からは、中3修学旅行にて、オーストラリアでファームステイや現地校との交流を予定。生徒たちは英語で日本文化を紹介し、自分の言葉を使って表現する力を磨きます。
希望者向けの夏休み短期留学プログラムでは、オーストラリアでのホームステイや大学生とバディを組んだ交流もあります。また、同校が所属する佐藤栄学園でも、海外研修(ボストン、シンガポールなど)があり、生徒たちの海外体験を支援。さらに将来的には10週間のターム留学も検討されています。
もちろん、校内でもグローバル教育が行われており、そのひとつが英語スピーチコンテストです。全員が英語で自分の考えを発表する場を設けることで、「英語で表現する喜びを知り、その力を将来につなげて国際人として活躍してほしいと考えています」(勅使河原校長)。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
埼玉栄中学校
[学校HP]https://www.saitamasakae-h.ed.jp/junior/
〒331-0078 埼玉県さいたま市西区西大宮3-11-1 Tel.048-621-2121
最寄駅/
JR川越線「西大宮駅」徒歩4分。
