生徒がゼロから創り上げる、 学園最大の文化祭「なずな祭」

規制緩和を実現し、奥行きが確保された木工が活躍する約1万5千人の来場者が訪れるメインエントランス
2日間で1万4千人が
来場する大イベント
市川学園では、生徒一人ひとりが主体的に考えて実行する数多くの行事が行われています。その代表格が文化祭「なずな祭」です。例年2日間で約1万5千人が来場する大規模な祭典であり、今年も1万4千人を超える来場者でにぎわいました。
「市川アカデミックデイ」が学術的な研究発表の場であるのに対し、なずな祭は「自分たちがやりたいことを、みんなで楽しみながら創り上げる」場。クラス展示や部活動の企画、有志団体のパフォーマンスまで、すべてが生徒の自由な発想から生まれます。
「ゼロから1を起こし、さらに発展させていくという授業では学べない経験ができるのがなずな祭の意義です」と、なずな祭教員推進委員会委員長の南里翔先生は語ります。テーマ決定から企画・運営までを生徒が担うプロセスは、協働力や課題解決力を養います。
中学1年生から高校3年生までが協力して準備にあたる姿は、学園ならではの一体感を象徴しています。

なずな祭教員推進委員会委員長の南里翔先生(左)と、今年のなずな祭実行委員長である高2・田辺誠さん(右)。取材時は文化祭前で、田辺さんは「来場者が『来てよかった』と思える文化祭にしたい。日本一の文化祭にします!」と力強く語ってくれた
対外交渉で、初の
スポンサー獲得も実現
文化祭実行委員会は各クラスから3~4人ずつ集まった総勢200名で構成され、幹部だけでも約20人。組織を束ねる責任は大きく、調整や意思決定には大きな労力が伴います。
今回実行委員長を務めた高校2年の田辺誠さんが力を入れたのは「規制緩和」と「スポンサー獲得」です。「展示の幅を広げたい。委員時代から感じていた課題を、委員長になったら解決したいと思っていました」と振り返ります。外装木工の制限は60cmから80cmへと拡大され、展示の自由度は大きく増しました。
この実現には多くの苦労がありました。教員や学校幹部との間で議論を重ね、安全面や予算面を調整。プレゼンを行い、リスクと効果を丁寧に説明しました。「委員全員で交渉を重ね、最終的に経営会議で承認をいただきました。大変でしたが、自信になりました」と語ります。
今年は学園出身者からのスポンサー協賛も初めて実現。OB・OGとのつながりを生かした新しい挑戦で、「資金の一部を支えていただき、展示や設備を充実させることができました」と田辺さん。
約200人の委員をまとめることも容易ではなく、調整力とリーダーシップが試されましたといいます。報告・連絡・相談の大切さを実感し、情報共有の徹底が円滑な運営のカギだと学んだそうです。
「文化祭を最初から最後まで直接体験できるのが一番のやりがいです」と話す田辺さん。学年を超えた仲間と交流できたことも収穫でした。
南里先生も「教師は基本的にサポート役。生徒が自分たちで考え、形にしていく姿こそ、なずな祭の価値です」と強調します。なずな祭で培った経験は、生徒たちが未来を切り拓く力へとつながっていきます。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
市川中学校
[学校HP]https://www.ichigaku.ac.jp/
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