国語科のフィールドラーニング「おくのほそ道」。 現地に行った生徒が中3の生徒に向けて発表!

芭蕉の足跡をたどる
芭蕉も訪れた雲巌寺(上)と芭蕉の句碑「鶴鳴くや其声芭蕉やれぬべし」(下)。梅雨の空気感、木々の緑、芭蕉が句を詠んだ時の情景…芭蕉に思いを馳せる参加したみなさん。
3回目となる今年は
黒羽(栃木)へ
「未来のリーダーを育てる」ことを目標に、「グローバル教育」「実学教育」「学内完結型教育」を改革の三本柱として様々なプログラムを実践しています。中でも「実学教育」は「本物に見て触れて考える」学びを基本にしていて、「フィールドラーニング」では各教科の先生が工夫を凝らした校外学習を展開しています。
国語科では6月1日に「おくの細道を訪ねる黒羽バスツアー」を行いました。このプログラムは中1から高3までの希望者がおくの細道の舞台となった土地を訪れた後、2学期に国語で『おくのほそ道』について学ぶ中3の生徒を前に、フィールドラーニングで体験したこと、学んだことを発表するというものです。
このプログラムが始まったのは一昨年。1回目は深川、2回目の昨年は千住と草加へ、そして、3回目となる今年は栃木県黒羽へと。『おくのほそ道』と同じ道のりをたどり、北上しています。高校の国語主任・阿部美咲先生にお話を伺いました。
「参加者は中1から高3までの希望者で、今年は中学生16名、高校生22名の計38名が参加しました」
黒羽は芭蕉が『おくのほそ道』の旅で最も長い14日間滞在した場所。「木(き)啄(つつき)も庵は破らず夏木立」と詠んだことでも知られる雲(うん)巌(がん)寺(じ)などを日帰りで訪れました。
「訪問前に事前学習も行いました。訪問日は偶然にも芭蕉が黒羽に滞在したのと同時期です。そのため、芭蕉が見た風景、句を詠んだ時と同じ空気感や雰囲気を実際に感じることができたと思います。また、参加者の中には芭蕉の弟子・曽良の銅像を見たことで『親しみを持って学べた』という感想を述べる生徒もいました」

中3に向けた発表会(事後学習)
発表会は7月11日に実施。中高協力しての発表に真剣に耳を傾ける中3生。ちなみに、中2の国語で学ぶ『平家物語』の那須与一ゆかりの地も近くにあることから、芭蕉や『おくのほそ道』のほか那須与一について学び発表したグループも。
発表する側も聴く側も
実りが多かった発表会
行ってきた後は事後学習としてレポートにまとめます。そして、テーマごとに中高混合で5つのグループに分かれ、昼休みを使い、中3生への発表会の準備をします。発表はスライドで写真は一人1枚スライドでつなぎ、一人1分程度のグループ発表を行いました。準備では高校生が中学生をサポートし、中学生は高校生から学び、お互いに良い影響が。
「ふだんは目立たない生徒がスライド作りや発表で力を発揮したり、フィールドワーク当日もリーダーシップをとっていたりする姿を見ました。また生徒たちはみんな学んだことを自分のものとして落とし込み発表していました。一方、中3の生徒からは『高校生になったら自分も参加したい』『中1の発表を見て刺激を受けた』という感想が聞かれました」
国語科では今後、漱石の『こころ』をテーマに舞台となった地を歩くことも検討しているそうです。同校は農大の附属校として、理系志向が強いイメージがありますが、文系科目でもこのように工夫を凝らしたプログラムを数多く行っています。
「本校は文系理系問わず様々な『知る機会』を用意しているので視野が広がります。その上で幅広い進路選択ができるのも良い点です」
実体験による学びは記憶にも残ります。志望校に加えてみてください。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
東京農業大学第三高等学校附属中学校
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最寄駅/ スクールバス:西武新宿線「本川越駅」、東武東上線「東松山駅」、JR高崎線など「上尾駅」「鴻巣駅」「吹上駅」、JR高崎線など・秩父鉄道「熊谷駅」、秩父鉄道「行田市駅」からあり。