白梅学園清修中学校・鉄道模型デザイン班 全国鉄道模型コンテスト、2部門で連覇
大会史上最多183校の頂点
全国の中学生・高校生が挑む“鉄道模型の甲子園”「第17回全国高等学校鉄道模型コンテスト」で、白梅学園清修中学校の鉄道模型デザイン班が、昨年に続いてモジュール部門と一畳レイアウト部門の両方で最優秀賞を獲得し、史上最多183校の頂点に輝きました。男子校や高専が大半を占める「鉄道模型の世界」で、女子校が頂点に、しかも2年連続で立つのは極めて異例の快挙です。出展した作品は、モジュール部門に昭和30年代の日光を舞台とした「愛され続ける日光軌道」、一畳レイアウト部門にはスタジオジブリ作品をモチーフとした「耳をすませば聞こえてくるかな」。今回はモジュール部門のメンバーたちに、連覇を成し遂げるまでの、この一年間を振り返ってもらいました。

「愛され続ける日光軌道」(左)「耳をすませば聞こえてくるかな」(右)
見る者を引き込む“世界観”
モジュール部門の作品は、昭和30年代の日光を舞台にした「愛され続ける日光軌道」です。「雄大な自然の中に廃線車両を組み込みながら、当時の佇まいを再現しました」と部長の吉本実冬さん。「紅葉は、標高差を意識して、20色以上を使い分けました」と岡村のどかさん。華厳の滝も実物さながらです。「水しぶきは綿を薄く広げて光を透かし、虹を浮かび上がらせました」と山田珠綺さん。さらに「服装は昭和30年代を再現し、年齢や職業など全員にプロフィールを設定しました」と副部長の青尾咲季さん。「作品の細部にまで物語を込めるのが清修の伝統です」と吉本さん。女子校ならではの自由な発想と豊かな色彩感覚、そして精緻な構成が織りなす世界観は、見る人を引き込みます。

実景と見間違えるような表現力
かけがえのない財産
制作は昨年9月から今年8月まで続きました。週末ごとに進捗を話し合い、状況をオンラインで共有、“見える化”することで、それぞれが紅葉や滝などを分担しながら、全体像を確認し合いました。「やり切る」という使命感が部員全員を結束させていきます。顧問の中澤亜紀先生は「連覇だけではなく、思いやり、礼節、感謝の気持ちが育ちました。部活動は生徒を育てる大切なツールだと思います」と振り返りました。鉄道模型を通じて培った経験はかけがえのない財産となっています。
未来へ伸びる清修のレール
今回初めて挑戦したのがクラウドファンディングです。目標金額に対して2倍以上の支援が集まり、「目に見える応援」が生徒たちを力づけました。そして11月には、昨年に続きドイツでの世界大会が控えています。前回は惜しくも第2位、今年こそ世界一をめざします。また後輩へは、自分たちが得たノウハウを伝えるとともに、これまでにない新たな取り組みにも挑戦してほしいとのこと。鉄道模型を通じた白梅学園清修中学校の未来は、線路のようにこれからも伸び続けています。

左から、中澤先生、山田さん、岡村さん、青尾さん、吉本さん
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
[学校HP]https://seishu.shiraume.ac.jp
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JR中央線・西武国分寺線 多摩湖線「国分寺駅」から西武バス20分「白梅学園前」ほか。
