私学探検隊

3年間のキャリア教育で進路の土台を築き、人間的にも大きな成長を遂げる

中3学年主任
福岡恭平先生

中3学年主任
福岡恭平先生
「職業や企業を知り、学問と結びつけて社会課題解決を考えることで、“人間的な成長”が見られるようになります」

「素直な心」で「学ぶ心」を
育て、自己肯定感を得る
自分の周りのあらゆる人や物に対して、「素直な気持ちで向き合うこと」を教育の要に置くのが、本庄東高等学校附属中学校です。
「素直な心」は、「学ぶ心」も育てます。学びを通じて「わかった」「できた」という成功体験を得ることで、自己肯定感が高まり、ウェルビーイング(個人や社会が幸福な状態)を実現していきます。
「6年間の中高一貫教育を通じて、このような成功体験を積み重ねていくことで、生徒たちが豊かな人間性と確かな知性を身につけることができます」と福岡恭平先生は語ります。

3年間で段階的に職業と
キャリアについて学びを
「中学では、将来の職業に幅広い選択肢を持つことが大切です。具体的な方向性は、高校で見極めていけば十分。そのための土台をつくるのが中学のキャリア教育の目的です」と本庄東のキャリア教育について福岡先生は語ります。
そこで、中1・中2で職業や企業を広く調べ、中3で社会課題と学問を結びつけて考える、という段階的なプログラムを用意。このプロセス自体が、生徒の“人としての成長”を促すことになります。

キャリア学習計画概要
中1では「職業調べ」で、世の中にどんな仕事があるのかを知ることから始めます。
「中学生は社会に触れる機会がまだ少ないので、職業そのものを知ることで選択肢を増やすことを目的としています」
そのため、普段から生徒たちが接する仕事だけでなく、中学生にはイメージしづらい商社やコンサルタントなどもあえて加えることで、「こんな仕事もあるんだ」という気づきを得ることができます。
中2の「ビジネスチャレンジ」では業界別に企業を調べて比較。ポジションマップを作成することで、ビジネスチャンスがある領域を見つけて、新しいビジネスを考案します。
「単なる知識の暗記ではなく、現状を分析して課題を見つけ、それを解決するアイデアにまで落とし込む。こうした思考のプロセスの体験を重ねていきます」
さらに卒業生や社会人、企業などの外部の力も取り入れ、アイデアをより具体的にブラッシュアップしていきます。
「プロの大人の視点から助言をもらうことで、社会で通用する考え方にも触れることができます」
キャリア学習の総仕上げとして、中3では「ソーシャルチェンジ」に取り組みます。ソーシャルチェンジでは、身近な困りごとや社会課題をテーマにし、大学の学問分野と結びつけながら解決策を考えます。
「自分の関心のある分野と社会の課題を結びつけることで、大学での進路選択やその後の職業選びに直結した学びを得ることができます」

学園祭で成果を発表し
伝わることの成功体験を
いずれの学年も、キャリア学習の成果を学園祭で発表。「自らの学びを人に伝える」成功体験は、その後の大きな自信になっていきます。
自分の関心を出発点に社会とつながり、その中で学びを深める。この積み重ねが「素直な心」を育み、未来を切り拓く力になっていきます。

大きな刺激となる企業特別授業

企業のビジネスパーソンが授業に参加し、生徒と一緒に社会の問題解決や新たなビジネスチャンスを見出し、提案していくプログラム。一方的な講演ではなく、ワークショップ形式で企業の働く大人との対話から、さまざまなヒントや気づきを得られる。

企業特別授業企業特別授業

小林樹直くん

小林樹直くん

新しいビジネスを考える
思考力や発想力を学ぶ

─これまでのキャリア教育で、印象に残っている活動は何ですか。
小林くん 中2で取り組んだ「ビジネスチャレンジ」です。GAFAM(世界的なIT企業。グーグル・アップル・メタ〈旧フェイスブック〉・アマゾン・マイクロソフト)を調べて、そこから新しいビジネスを考えました。

─調べ学習を進める中で、どんな発見がありましたか。
小林くん 僕の担当はマイクロソフトでした。Microsoft 365のように複数のアプリをまとめて管理できるサービスや、AIとの連携に力を入れていることも新たな発見でした。

─そこからどのようなビジネスのアイデアを考えたのですか。
小林くん 僕たちの班は「災害対策サービス」を考えました。今ある「Jアラート」は夜中に突然鳴っても、実際に行動に移せる人は少ないと思うんです。それを解消するために、事前準備ができる情報提供の仕組みを考えました。具体的にはハザードマップを見られるアプリや、災害時に必要なものリストなどです。
このアプリをGAFAMが持つ膨大な情報やネットワークと組み合わせれば、よりたくさんの人を災害から救えるだろうと考えました。

パワーポイントを使って「ビジネスチャレンジ」の成果を発表する生徒たち

パワーポイントを使って「ビジネスチャレンジ」の成果を発表する生徒たち

─中3で現在、取り組んでいる「ソーシャルチェンジ」についても聞かせてください。
小林くん もともと動物が好きなこともあって、「獣医学」の分野について調べています。医学や工学と組み合わせることで、どうしたら社会課題を解決できるかを考えています。

─キャリア教育は自分の将来のキャリア観にどんな影響を与えていますか。
小林くん キャリア教育の新しいビジネスを考える活動で「思考力」や「一見、関係のなさそうなものを組み合わせる発想」の大切さを学びました。その力を生かして、将来は社会に役立つ仕事をしたいですね。父が建築家なので建築にも興味がありますし、獣医学も学んでみたいなと思っています

吉永葵泉さん

吉永葵泉さん

仲間との対話で
新しい発見を得る

─キャリア教育で、印象的だった活動を教えてください。
吉永さん 私は中1の「職業調べ」で、総合商社を調べたのが印象的でした。商社にはぼんやりしたイメージしかありませんでしたが、インターネットや本、図書室の資料などを使って調べてみると、貿易など海外とのつながりが多いことを知りました。特に総合商社はさまざまな会社や海外と結びついていて、これから重要となる分野だと感じています。

─職業調べのグループワークでは、どんな学びがありましたか。
吉永さん 仲間と意見を交換することで、自分にはない視点に気づけました。自分の考えもしっかり伝えて、仲間の意見と組み合わせていくと、そこからまったく新しい意見が生まれていきます。そんな体験がとても勉強になったと思います。

起業についての特別授業

「きりぐるま祭」の連携授業として、2年次に起業についての特別授業を実施

─中3の「ソーシャルチェンジ」では、何を調べているのですか。
吉永さん SDGsの「経済成長」と「ジェンダー平等」です。私は「経済学」を担当していて、同じグループのほかのメンバーは「情報」や「外国語学」などを調べています。女性の賃金格差、特定の職業に女性ばかりが集中していることなどを課題のテーマとして、どうすれば男女が平等に働けるかを考えていきます。
経済学は難しい部分もありますが、身近なニュースともつながっているのが面白いです。以前は宇宙飛行士に憧れていましたが、今はまだ将来の職業をはっきり決めていません。この先、将来のキャリアにつながるような興味のある分野ができたら迷わず挑戦したい。そのために苦手な分野にも積極的に手を伸ばしていきたいです。


※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

本庄東高等学校附属中学校
[学校HP]https://www.honjo-higashi.ed.jp/
〒367-0025 埼玉県本庄市西五十子大塚318 Tel.0495–27–6711
最寄駅/
スクールバス:JR上野東京ライン 湘南新宿ライン 高崎線「岡部駅」から12分、
森林公園・妻沼・藤岡・伊勢崎・籠原からあり。

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