学校周辺の自然豊かで歴史ある環境を生かした中1の探究学習
野鳥、歴史と文化、ゴミアート、
生き物観察に分かれて探究
二松学舎大学附属柏中学校は、総合探究コース、グローバル探究コースともに探究学習に力を入れています。学校周辺の自然豊かで歴史ある環境を生かし、「自問自答プログラム」という同校独自の探究プログラムに取り組みます。探究学習の入口に立ったばかりの今年の中1は、これまでに田植え体験、北千葉導水ビジターセンター見学などの校外学習を実施。そして、7月上旬には手賀沼周辺を4つのグループに分かれて見学し、市民団体の方々の協力のもと、探究活動を行いました。今回は、中1の生徒4人と、学年主任の坂井曜児先生にこのグループワークについてお話を伺いました。

左から中1のN.S.さん、A.T.さん、N.O.さん、F.H.さん。手前にあるのが歴史と文化班が作った「鳥ビシャ」
学校がある地域の生物や環境、
歴史などを知るきっかけに
N・Sさん(以下Sさん)は「野鳥」、A・T(以下Tさん)さんは「歴史と文化」、N・Oさん(以下Oさん)は「ゴミアート」、F・H(以下Hさん)さんは「生き物観察」を担当。これから1年間かけて、それぞれのテーマについて探究し、9月には文化祭で中間発表を実施。11月には再び校外学習を行い、2月に保護者や地域の方々などを招いてポスターセッションを行います。「昨年までは7月と11月の校外学習で別のテーマを選ぶようにしていましたが、今年度からは1年間継続して学びを深めるために同じところを担当させています」と坂井先生は話します。

双眼鏡で手賀沼周辺の野鳥観察をする生徒

餅と食紅を使った鳥ビシャづくりを体験した歴史と文化班
野鳥観察の班は我孫子野鳥を守る会の方々の協力のもと、手賀沼周辺に生息する野鳥を観察。20種類以上もの野鳥を見つけることができました。「アオサギがきれいで印象に残っています」とSさん。歴史と文化の班は歴史ある「鷲野谷集落」を訪れ、餅と食紅を練って鳥の形にしたものを鳥木という木に飾ってお供えし、豊作や健康を祈る「鳥ビシャ」づくりに挑戦しました。「国の登録有形文化財に指定されている染谷家住宅にも行きましたが、この日は中に入れなかったので、次回は中も見学してみたいです」とTさんは話してくれました。ゴミアート班のOさんは手賀沼周辺で拾ったゴミを使って顔を作りました。「箱ごと捨てられていたリンゴは顔の目の部分になりました。タバコで髪の毛、ビンを口にしました。なぜポイ捨てをする人がいるのか、環境について考えるきっかけになりました」(Oさん)。そして、Hさんは手賀沼に生息する水の生き物を観察。「ザリガニやドジョウ、モツゴ(小さな魚)などを見つけて捕獲し、スケッチしました。外来種の生物が多いので、在来種がもっと増えたらいいなと感じました」とHさん。4人はそれぞれ、校外学習で「自問自答」を進めるための収穫があったようです。

手賀沼周辺のゴミを拾ってアートを作ったゴミアート班

水の生き物を探す生徒たち。ザリガニやドジョウなどが生息している
学年が上がるごとに
活動内容もレベルアップ
同校では2年生になると個人学習とグループワークに分かれ、それぞれが設定したテーマの探究活動を行います。また、3年生では全員が個人で1年間をかけて自分自身が立てたテーマを仮説を立てて検証し、論文にまとめます。生徒たちは成長に応じて多様なテーマ、進め方で「自問自答」し、探究の学びを続けます。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
二松学舎大学附属柏中学校
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最寄駅/JR・東武線「柏駅」から東武バス「大井」徒歩15分。スクールバス:「柏駅」、東武線「新柏駅」、
JR「我孫子駅」から15分、「北総ルート」「新鎌ヶ谷ルート」50分。