揺さぶられる価値観から自分の歩みへ国際コースのバリ島海外研修
「教養ある堅実な女性」を掲げる江戸川女子。中学からは一般コースと国際コースに分かれます。今回は、グローバル社会で他者と協働しながら生きる力を育む、国際コースをご紹介します。
設立5年目となるこのコースでは、「自分の意見を持つ力」「世界規模で考える力」「柔軟に対応する力」「多様性を認める力」の4つを軸に育成。ネイティブ講師が副担任として伴走し、少人数の英語授業や第2外国語選択、音楽・美術の英語イマージョン授業など、日常の中に多言語・多文化の環境があります。
国際コース中3の3月には、5日間のバリ島海外研修(希望者制)があります。今年3月に引率した学年主任の吉田秀徳先生は言います。
「観光地で有名なバリ島が抱えているゴミや貧困などの問題を、実際に訪れたり、現地の方々とお話ししたりすることで、原体験とともに自分ごととしていくことを大事にしています。私も今回初参加だったので、毎日の振り返りでは生徒たちと共に正直な気持ちや思いを共有し、一緒に話し合う時間を持ちました」
今回参加した飯島佳音さんと川口綾花さん(共に高1)は、自分の価値観を変えるような旅になったと話します。
飯島 「3日目に行ったゴミ山は、想像を絶する光景と匂いで、衝撃でした。遠くから見たら自然の山かと思う量のゴミが焼却もされずに積み上げられ、暑さと湿度で悪臭も強いのに、その中でゴミを拾って生計を立てる人たちがいました。学校に通えない子どもたちのために、NPOが簡易の学校を開き勉強や裁縫技術などを教え、仕事を作り出し、そこから抜け出せる支援をしていました」
川口 「その学校で子どもたちと過ごしてみると、みんな医師や教師などになりたいと夢を持っていました。もっと教育の機会が増えるためにどうしたらいいのかと考えました」
他にも廃棄物をできるだけ捨てずに再利用や再活用をしているホテルや施設を訪れ、一緒にゴミ拾いやリサイクル石鹸を作り、民族衣装を着て神様へのお供えをする儀式なども経験したそうです。
多くの経験の中でももう1つ2人に大きな影響を与えたのが、無償で医療とサポートを提供している助産院の訪問でした。
川口 「『貧困は命を諦める理由にはならない』というそこで活動する女性医師の言葉が胸を打ちました。愛に溢れた女性で、初めて会った私たち1人ずつを受け止め抱きしめてくれました。私にとって人生で忘れられない出会いです」
飯島 「そこでは24時間365日医療を提供し、お母さん、赤ちゃんが元気にいられるようサポートしているだけでなく、男性でも誰でも必要な人には診療をし、人々の健康を守っていました」
朝から夕方まで様々な場所や人を訪問したり、体験をし、ホテルに戻った後は、毎日思いを言葉に書き出し、そしてみんなで共有して話し合い。それがまた自分ごととして受け止める良いリフレクションの時間にもなったそうです。
吉田先生 「体験で得たことがすぐに動かなくても、将来いつか彼女たちの力や自信になっていってくれることを願っています。変えるために人や社会を自分で動かす、という意識に育っていってほしいですね」
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
江戸川女子中学校
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