私学探検隊

中1・中2がペアになり、数学を一緒に学び合う 数学合同授業で、先輩後輩の絆を深める

生徒同士だからこそ
アドバイスが響く

本郷中学校では、中1と中2がペアになり、一緒に学ぶ数学の合同授業を年2~3回ほど行っています。この取り組みが始まったのは約20年前。本郷中の伝統でもある先輩と後輩のつながりを学習面からも深めていこうというのが狙いです。

1学期に行われた初めての数学授業の様子。最初は緊張気味の中1を中2がうまくリードして、次第に会話も弾んでいく様子が伺えた

1学期にある最初の合同授業では、中1が前年度の数学の中間テストを事前に解き、わからなかった問題をペアになった中2に教わります。
「数学の問題の解き方を教わるのをきっかけに、そこから勉強方法や試験当日の時間配分など、他教科を含めて勉強に対する姿勢全般についてアドバイスを受けたりもしています。親や先生ではなく生徒同士だからこそ、そういった助言が素直に響くようです」と数学科の野村竜太先生は語ります。 中2にとっても、先輩として後輩に教える経験は貴重な機会になっています。
「後輩にしっかり教えられるようにしようという気持ちが自然と芽生えて、先輩らしい行動につながっています。自分が中1のときにうまくできなかったことも、失敗の体験談として伝えたりもしているようです。そういうことも後輩にとっては勉強になりますよね」(野村先生)。

野村竜太先生

本数検にペアの成績を
反映しモチベーションに

同校では、長期休暇明けに「本郷数学検定(本数検)」という独自の検定試験があります。この本数検では、数学合同授業のペアの成績を平均して反映するので、それがペア同士で頑張るモチベーションにもなっているようです。
「ときには中1が中2の成績を上回ることも。それもまた、学び合いの刺激になっています」(野村先生)。
同じペアで2学期には証明について学び、年度によっては3学期にもう1回合同授業が行われます。ペアは出席番号が同じ中1・中2同士が組みますが、「ペアの相手と気が合わないことも、もちろんあります。しかし、それも社会性を育てるチャンス。1時間、合わない相手と協働して何かする経験は、生徒自身の成長の糧になるはずです」(野村先生)。


このほかにも今年度は試験的に中1と高3の合同数学授業も実施。東大志望の特進クラスの生徒が、東大入試の問題を中学入試向けにアレンジした問題を使って中1に教える機会を設けました。
「中1にとって高3は遠い存在となりがちですが、丁寧に教えてくれる先輩の解説に真剣に耳を傾けていた姿が印象的でしたね」(野村先生)。
学年を超えた学び合いが、先輩後輩の絆というバトンをしっかりつないでくれています。

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

本郷中学校
[学校HP]https://www.hongo.ed.jp
〒170-0003 東京都豊島区駒込4-11-1 Tel.03-3917-1456
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