卒業制作に見る生徒たちの集大成と未来への一歩
それぞれの表現方法で こだわりや想いを形に
女子美術大学付属高校では、卒業制作として各自で作品を制作。夏休みごろから計画をスタートさせ、実際の制作は11月ごろから始めます。最終的にコースごとに1名が最優秀賞に選ばれます。各コースで受賞した3名に話を伺いました。
デザインコースで受賞したのは藤木真優さんの「私の宝船」。卒業にあたり、卒業を祝う、自分を祝うことをテーマにしています。「大きな私は今、卒業する瞬間の私。学校生活で課題や人間関係に悩んだ小さな私、6年間の経験や学びをすべて大きな私が取り込んでいる様子を描きました。6年間があるから今がある、未来に向かう今の勢いを水しぶきで躍動的に表しました」(藤木さん)。目立ちたがり屋の性格だという藤木さんはインパクトのある作品を美術館に飾られる最大サイズの大きな作品に仕上げました。
絵画コースは俵一花さんの「心象風景」が受賞。6年間の集大成というより、大学(洋画専攻)でやりたいことをイメージした作品だそう。「絵の中で奥行を出すのが苦手だったのですが、卒業制作では自分の好きなものを描こうと。11月にテーマを決めて描き始めました。最初はイメージしながら描いていましたが、流れる川と動かない地面との対比がうまく表現できず、実際の川を見に行って動きを描きました」(俵さん)。画角に見えていない、絵からつながる世界を感じさせたいという俵さん。先に構図を決めてしまわず、思いつきを重ねて作品を完成させるといいます。
糸井花歩さんの「今ちょっと頑張ってる」は工芸・立体コースの受賞作品。不器用そうなゴリラが器用に編み物をしたらかわいいというギャップを表現。「動物の作品を作りたくて、迫力と臨場感を出せるゴリラを選びました。ゴリラは人間と似ていると思って始めましたが、実際は骨格や筋肉、体のつくりがまったく違います。動物園に行ってゴリラを観察するところから始め、5体試作して完成させました」(糸井さん)。大きな体で背中を丸めている後ろ姿も見て欲しいポイントだそうです。
作品は東京都美術館で女子美術大学・大学院・女子美術大学短期大学部との合同展示を行います。テーマを決めるところから、どのように作品を進めていくか、生徒たちが自分で考え、完成させた卒業制作。各々が自分の作品を作り上げる経験は大きな自信と支えになり、さらなる未来へと歩を進めていきます。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
女子美術大学付属中学校
[学校HP]http://www.joshibi.ac.jp/fuzoku/
〒166-8538 東京都杉並区和田1-49-8 Tel.03-5340-4541
最寄駅/ 東京メトロ丸ノ内線「東高円寺駅」徒歩8分。