来年に創立100周年を迎える日本大学第二中学校。「週休2日・朝練廃止」という新基軸を打ち出し、中高一貫型の野球部づくりを目指しています。
日本大学第二中学校(日大二中)には23の運動部、19の文化部があり、部活動が活発な学校として知られています。日大二中の野球部は軟式ですが、「本気で甲子園を目指す」日大二高硬式野球部へのステップアップを考えて入学する生徒も少なくありません。現在、硬式野球部で選手会長を務める山内翔太郎くんと主将の瀧澤和也くんも、全員野球をモットーとする軟式野球部出身です。
実は2人とも、「高校で野球を続けるかどうか少し迷った」時期があったのですが、硬式野球部を率いる齊藤寛文監督の説明会で、まるで企業説明会のように、丁寧に野球部の理念や方針を説明してもらったことにより、入部を決断しました。上下関係や練習が厳しいのではないかという先入観が払拭されたことで、「僕らの代はほぼ全員がそのまま硬式野球部に入りました」(山内くん)。
スローガンは「自主創造」

日大二高硬式野球部の目標は「春夏秋冬日本一」。東京・立川市の専用グラウンドで汗を流す選手たちは、「週休2日・朝練廃止」を貫きながら、本気で日本一を目指しています。部活動の見学や体験入部も歓迎中
同校OBでもある齊藤監督は今年30歳の青年監督です。軟式と硬式の違いはあれど、「野球を通じて育む選手の幸福と人財形成」が部活動の基盤と考える齊藤監督は、3年前に就任以来、中高一貫型の野球部作りを目指しています。
日大二高硬式野球部の練習は、学校(東京・杉並区)から電車で約1時間かけて移動する東京・立川市の専用グラウンドで行っています。クラブハウスや室内練習場を完備していますが、短い練習時間でいかにして効率よく力をつけていくか(労働基準法の規定の時間内でいかにして最大の成果上げるか)を追求して、「週休2日・朝練廃止」を堅持し、「睡眠時間の確保と適切な休養」も重視しています。「指導者から言われたままに練習するのではなく、自分たちで中身の濃い練習内容を考えさせます。『余白』のある時間を持つことが重要で、その積み重ねが自分の力で何かを生み出せる人間、社会で必要とされる人財へ成長できる素地となると考えています」(齊藤監督)。
新体制では、約60人の高校部員を1軍・2軍ではなく、紺・桜・赤の色で組織分けしました。紺組はスターティングメンバー、いつか咲く桜組には奮闘を期待し、1年生が多い赤組は熱い情熱のイメージ。色分けによって、各自が役割を果たしながら協働するマインドセットを実現したのです。昨年度からは、主将とは別に、試合以外の活動を束ねる選手会長の役職を作りました。
初代選手会長の山内くん「僕の役割は、たとえば靴を出しっぱなしにしないとか整理整頓をきちんとしようとか、主に生活態度を引き締めることです」
主将の瀧澤くん「試合中の司令塔に専念できることで、フェアゾーン内での勝負により集中できるようになりました」
硬式野球部の部訓は「N.を描く」

選手会長の山内翔太郎くん(外野レフト/写真右)と、主将の瀧澤和也くん(捕手/左)
「自主創造」の下、生徒たちは練習方法や部の運営などについても監督・コーチと積極的に対話しています。
瀧澤くん「自主自律が重視される高校では、主将は他の人に任せたり動かすことが重要な役割だと気づきました」
山内くん「他の人の意見を聞く意識が強くなりました。今年から副選手会長も置いてほしいと提案したのも、みんなで分担することが大事だと思ったからです」
齊藤監督が新たに定めた部訓は「N.を描く」。そこには、浮き沈みのある人生で落ち込んだ時にも這い上がっていく(Nを描く)ことができる人間に成長してほしいという願いが込められています。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
日本大学第二中学校
[学校HP]https://www.nichidai2.ac.jp
〒167-0032 東京都杉並区天沼1-45-33 Tel.03-3391-0223
最寄駅/ JR中央線 総武線・メトロ丸ノ内線「荻窪駅」、JR中央線 総武線「阿佐ヶ谷駅」徒歩15分。西武新宿線「下井草駅」徒歩20分。「荻窪駅」、西武線「鷺ノ宮駅」、「中村橋駅」からバス「日大二高」。