「IBの洗礼は衝撃だったけれど、汎用性の高い思考力が身につきました」。BE SHOHEI(※1)!
中学では全教科をIBで学び、主体性と協働性を身につけながら「人としての器」を広げる。高校ではその中に高度な知識やスキルを注いで「学びの器」も醸成する。それが昌平の教育風景です。今年の教育コンセプト
「BE SHOHEI」を体現する、中高一貫の高2生4人に、同校の特色である中学のIB教育やPEP(英語力超強化プロジェクト)についてお話を伺いました。
そもそも、IB教育とは?
IBとは「多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する、探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成を目的とする」国際教育プログラムのこと(※2)。世界大戦の教訓を踏まえ、1968年にスイスに設立された「国際バカロレア機構」の下、24年現在、世界160の国・地域、約5800校が実施しています。
中高の学びの目的は大学進学ではありませんが、昌平の大学実績が飛躍的に伸び始めたのが中学にIBを導入して以降という点には注目です。
中学のIB授業で印象的だったこと、得たことは?
浅賀君「衝撃だったのは、初めて受けた『地理』のテスト。例えば、イギリスのEU離脱問題についての出題では、解答用紙の下3/4くらいが全部記述欄で、引きましたね(笑)」
小宮君「中3の時の国語のテストも、問題は1行くらいしかなくて、あとは記述用の解答欄(笑)。美術でも哲学的な問いが出ましたね」
大石さん「グループでプレゼンする機会がたくさんあったので、最初は困惑しましたが、人前で話すことが怖くなくなりました。わかりやすく伝える力がついたと思います」
宮田さん「数学の授業で、自分で作った問題を黒板に書いて発表する『解説授業』というのがあって、わかりやすく解説することを学んだり、英語の授業で、外国人向けに観光地を英語で紹介するスライドを作ったりするのはおもしろかったです。考えさせられる課題が出るので、ニュースを見ていても裏返しで考えたり、いろいろな視点から物事を捉えられるようになりました」
浅賀君「論理的に話せるようにはなったよね」
小宮君「レポートが多くてキツかったけれど、文章力はつきましたね(笑)。高校生になって、その大切さがわかりました。過程を踏むとか、求められていることを推測するとか」
PEPでの学びについて教えて
大学入試において英語力が大きな比重を占めるのは周知の事実ですが、同校の英語教育の合言葉は、「全校生徒が英語を得意教科に」。
ちなみに浅賀君は英検準1級、他の3人のみなさんは2級を取得しています。
浅賀君「先生方の期待値がかなり高いので、英語は得意なはずなんですが、あまりその実感はなくて(笑)」
小宮君「単語力、語彙力はつきましたね。中学では単語テストで合格点を取れないと、百本ノックのような朝テストも(笑)。でも、高校になって大学受験用の勉強をしていると、単語とか文法の基礎とか中学の時に学んだことが活きているなと感じます」
浅賀君「僕は幼少期にアメリカに住んでいたのですが、中学では英語Gの時間に『取り出し授業』があります。インターナショナルアリーナ(日本語禁止部屋)で、外国人の先生と楽しくいろいろな話をしたのは良い勉強の機会でした」
大石さん「私は英語が得意ではなく、先生に当てられてわからないと『あ、終わった』と(笑)。正直、中学3年間は過酷でした。でも、おかげで今は長文も読めるようになりました」
宮田さん「英語の授業では、勉強の仕方を教わった気がします。課題をやる時も答えを書くだけでなく、わからない単語をメモしておいたり、自分でプラスαしながら課題を発展させていくのが楽しくなりました」
部活動の様子を教えて
浅賀君「軽音楽部でバンドを組んでいて、ベース担当です。昌平祭の中夜祭でも演奏して大成功でしたが(笑)、校内発表会など定期的にライブをやっています。ジャンルはJロックやJポップですが、本当はメタルにも手を出してみたい(笑)」
小宮君「中学ではサッカー部でしたが、練習がハードで勉強との両立が難しかったので、高校では社会歴史研究部に。このあたりは宿場町・杉戸宿があったところで、僕の通学路線を大名たちが参勤交代で通ってい
たんだと知り、いろいろ調べて研究しているんです。『櫻井徳太郎賞』(※3)に応募するため、今、絶賛締め切りに追われ中です(笑)」
大石さん「私も浅賀君と同じ軽音楽部で、ギターを担当しています。中学生の時に動画で弾き語りを見てカッコいいなと思い、アコギを弾いていたんです。今はエレキですが、YouTubeに上がっている動画を参考に独学で練習しています」
宮田さん「中学では美術部の幽霊部員でした。私はガリ勉だったので(笑)、勉強との両立が難しかったからですが、体育祭でチアリーディング部の演舞を見て、高1になって入部しました。運動は下の下の下なんですが、勉強で『できないことが、できるようになる』過程が楽しかったので、やってみたくて」
昌平って、どんな学校?
浅賀君「中学では厳しい部分もありますが、高校生になってみると本当にためになっていることがわかるし、すごく実りがあります。仲間との繋がりも強いし、みんなで頑張れる環境だから、やりがいがありますね」
小宮君「僕は中学入試ではギリギリの点数で合格して、中1の1学期は定期テストの日程も知らないくらいボーッとしていたんです(笑)。でも、このままではマズイと勉強し始めたら楽しくなってきて、高校は上位クラスに入ることができました。勉強は努力すれば実ります。中学の勉強は大変だけれど楽しかったし、僕のようにちゃんと修正されるので、学校生活を存分に楽しめます」
大石さん「小6の時の偏差値は高くなく、繰り上げ合格で入学しました。みんな頭が良くて、それについていこうと必死で猛勉強して(笑)。課題も多くてキツいけれど、IBとかでとても良い経験できるし、かけがえのない中学校生活が送れます」
宮田さん「高校になると受験モードに入りますが、中学では校外学習や、楽しい行事がたくさんあります。切磋琢磨できる友達がいっぱいいて、しかもみんな育ちが良くて優しいから居心地が良いですね」
今思い描く、自分の未来像は?
浅賀君「就職のことはまだ考えていないですけど、経済とか資産に関して数学的に解析することに興味があるので、東大工学部に進学して金融工学を学びたいと思っています」
小宮君「景色に僕は目覚めました。なので、経営を学んで、グローバルにビジネスをやっていきたいなと。そして仕事で海外を巡りつつ、いろんな自然、景色が見たいんです。そのために、今は『使える英語』を伸ばしていこうと思っています」
大石さん「まだ定まっていないのですが、理工学系か薬学系を考えています。小学校の時に『実験教室』に通っていたくらい実験が好きなので、医薬品会社で医薬品の研究をしたいです」
宮田さん「データサイエンス系に進みたいです。今後AIが発展していく中で安定した職業だし(笑)。中学の時の物理の先生が、データサイエンスは文理融合の学問だと教えてくれたんですが、私は理系選択ではあるものの、けっこう国語とかも好きだから、いいなと思っています」
■2024年春・大学合格実績(抜粋)
今春の卒業生も、地力を発揮!
東大はじめ難関国公立78名、早慶上理56名、GMARCH199名、医学部医学科7名など、今春も見事な実績を挙げました。その中から、中高一貫生の実績を取り出してご紹介します。
【中高一貫生/卒業生80名】
国公立17/早慶上理9/GMARCH23
医学部医学科3
東京大1/お茶の水女子大1/九州大1/筑波大4/埼玉大1/新潟大1/早稲田大1/慶應大1/上智大4/東京理科大3/明治大9/青山学院大5/立教大3/中央大3/法政大3ほか
※1 | 新校長体制になり、校名にゆかり深い孔子の教えをもとに「次代を担う知者、仁者、勇者であれ」という思いを込めたもの |
※2 | 文部科学省IB教育推進コンソーシアムHPより抜粋 |
※3 | 民俗学・歴史学・考古学を通じ、地域を基盤にした学問の発展と、地域を活かす立場から研究を進める人材の育成を図るとともに、青少年の地域研究の奨励と郷土愛を育むことを目的に、一般・高校生・小中学生を対象に論文・作文を募集する |
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
昌平中学校
[学校HP]https://www.shohei.sugito.saitama.jp/contents/jhs/
〒345-0044 埼玉県北葛飾郡杉戸町下野851 Tel.0480-34-3381
最寄駅/
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「吉羽大橋」徒歩8分ほか。スクールバス:「杉戸高野台駅」から5分、「久喜駅」から10分。