私学探検隊

中学では「好き」のチカラを喚起してIBで学びを深め、高校ではそれを土台に、確かな学力を醸成する

中学では全教科をIBで学んで多様な体験を重ね、主体的・協働的に学ぶ姿勢を身につけながら「人としての器」を広げる。そして、高校でその中に高度な知識やスキルを注ぎ込み、「学びの器」を満たしていく。まずは人間力を養い、その上に従来のタフな学力を醸成するのが昌平の教育風景です。IBを学んだ学生を求める大学が増加する中、「中高一貫クラス」で学ぶ高2生3人に、中学3年間のIB教育についてお話を伺いました。

そもそも、IB教育とは何か?
IBとは「多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する、探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成を目的とする」国際教育プログラムのこと(※)。世界大戦の教訓を踏まえ、1968年にスイスに設立された「国際バカロレア機構」の下、現在、世界159以上の国・地域、約5500校が実施しています。
中高の学びの眼目は大学進学ではありませんが、昌平の大学実績が飛躍的に伸び始めたのが中学にIBを導入して以降という点にも注目です。

中学の授業で印象的だったことは?
鈴木君「入学してすぐに英語の授業でIBの洗礼を受けました。グループでのプレゼン発表の途中で頭が真っ白に。終わった後、悔し泣きしました(笑)。でも、友達が『聞いてあげるから、僕のも聞いて』と声をかけてくれて、発表の練習をするうちに慣れ、今では人前で話すことが得意になりました」

左から、お話を聞かせてくれた高2担任の志川優介先生と、鈴木虹音(れいと)君、吉川斗翔(とわ)君、加賀谷(かがたに)ななみさん

吉川君「僕は、歴史で年号や出来事の内容を覚えるだけでなく、『この国でこういうことが起こったから、日本ではこうなったよね』と、物事を多角的に見ることのおもしろさを知り、勉強が楽しくなりました」

加賀谷さん「IBはグループ活動も多いですが、私は表現することが苦手でした。でも、友達と話したり世界について考えることが多いIBの授業で視野が広がり、思いを人に伝えたいと思うようになりました」

IBの学びで得たことは?
鈴木君「スライドや動画で資料を作る機会が多いのですが、PCが好きだというのもあり、今では誰よりもわかりやすいものを作れるという自信がつきました(笑)」

加賀谷さん「授業でレポートを読み合い、お互いにフィードバックする中で、自分では自分の良いところを見つけられなくても、友達がいろいろ言ってくれるので、周りと話すことで、『自分は意外と大丈夫かも』と思えるようになりました」

吉川君「自分一人では限界がありますよね。僕は今も発表前は緊張しますが、始まってしまえばなんとかなるのも、仲間と一緒だからかもしれません」

9月に行われた文化祭「昌平祭」は、4年ぶりに一般公開。クラス展示や部活発表、模擬店などで大賑わいだった

ところで、部活動はどんな感じ?
吉川君「僕は中学では部活に入っていなかったのですが、高校で軽音部に入りました。もともと歌は好きだったのですが、人前で歌うことが楽しくなってきて(笑)、この前の文化祭では『のど自慢』で優勝しました」

鈴木君「中学では硬式テニス部でしたが、高1の時に軽音部に入りました。吉川君がいたこともありますが、PCで作曲している動画とかを見て『やってみよう』と思い立ち、今、広報と作曲を担当しています」

加賀谷さん「中学ではダンス部でした。私が前向きになれたのは、部活に入ったことも大きいですね。経験もないし、体育も得意じゃなかったけれど、友達に誘われて入りました」

そう語る加賀谷さんですが、中3の時には部長に選ばれ、高校では「トビタテ!留学JAPAN」に選出されて、英語とダンスを目的にロサンゼルスに留学したのだそうです。
みなさんのお話からは、IBには「好き」のチカラを喚起し、そこを起点に思考を深めて行動に繋げる、そんな側面もあるように感じます。

今思い描く、自分の未来像は?
吉川君「学校の先生です。僕が教わった『いろいろな側面から考える』『他の人と一緒に考える』大切さを教えたい。今後も先生方を見ながら、うまい教え方を学んでいきたいです」

鈴木君「僕は昔からパイロットに憧れていたのですが、体がパイロット向きではないと医師に言われ、悩んだ末に新たな目標を見つけました。人の夢を叶えてあげられる医師になりたい。患者さんの心の支えになれる医師を目指したいと思っています」

加賀谷さん「英語が得意なので、ダンスと英語を繋げたいなと。まだ実力は足りませんが、アメリカでは難関大学にダンス科があったり、そこで別の学問も専攻できたりするので、選択肢を広げるためにも、今は勉強を頑張ろうと思っています」

最後に、昌平ってどんな学校?
吉川君「最初はIBに戸惑うこともあると思いますが、たくさんの人と話したり、人前で発表することで、社会で生きていくうえでの基盤を、自分の中に早い段階から作ることができます。もちろん部活動や行事など、楽しいこともたくさんあるので、入学してよかったと思っています」

鈴木君「一番良かったのは、良い仲間に恵まれ、新しい自分に出会えたこと。大学受験も、みんなで乗り越えていこうという気概を感じます」

加賀谷さん「やっぱり、仲間が一番大きいですね。IBでは壁にぶつかることも多いですが、仲間が助けてくれたり、時には自分が仲間の力になれたり。仲間がこんなにいるんだからと、『踏ん張る力』がつきます」

高校希望者対象の「グローバルSDGsゼミ」にて。産業廃棄物処理工場で、既成概念が覆る体験をした生徒たち

最後に、「中高一貫コース」高2担任の志川優介先生に伺いました。
志川先生「私は彼らを高1から見ていますが、授業の後でも議論が続くなど、好きの力、物事を楽しむ力が非常に高いと感じます。中学のIBで下地ができているので、高校では挑戦の邪魔をしないように、教師は見守るだけです。アドバイスをする際も『これは僕の意見だから、いろいろな人に聞いてみて。そして最終的に判断するのは自分だよ』と。学ぶ姿勢と共感力をすでに備えていますので、彼らが大人になった時にはその力がさらに活きてくると思っています」

社会との繋がりを意識したIBの学びの下、中学ではSDGsの活動も活発ですが、中3では集大成として自分で奉仕活動を考案・実践。そして、高校ではさらに視界を広げていきます。

例えば、希望者対象の「グローバルSDGsゼミ」の今年の夏合宿では、産業廃棄物の徹底的な再資源化を目指す工場を訪問。ゴミという物質の最終形がポジティブなものに転換していく様を目の当たりにし、ビジネスとSDGsの共存をリアルに考察しました。同校のモットーは「手をかけ、鍛えて、送り出す」。生徒さん方の行く道が楽しみです。

■2023年春・大学合格実績(抜粋)
今春も、IB教育が結実!
東工大2名はじめ、国公立69名、早慶上理81名、GMARCH169名と、今春の卒業生も見事な実績を挙げました。その中から中高一貫生の実績を取り出して、以下にご紹介します。
【中高一貫生/卒業生80名】
国公立13/早慶上理ICU19/GMARCH24
一橋大1/お茶の水女子大2/筑波大3/群馬大2/山形大1/早稲田大7/慶應大3/上智大2/東京理科大7/学習院大1/明治大6/青山学院大2/立教大8/中央大2/法政大5ほか

「中高一貫クラス」のIB1・2期生が伝える、IB教育の真骨頂

■東京大学理科Ⅰ類3年 矢内大雅くん
「中1から生物化学部に所属し、『自動受粉ロボット ポリネイド』の研究や宇都宮大学で開催された『栃木テックプランター』で行ったプレゼンなどをベースに、学校推薦型選抜で東大に進学しました。中学のIB教育では、教科横断の授業も広い視野や発想の獲得に繋がったと思いますし、プレゼンのスキルはIBの授業抜きには考えられません。今後は、医療に工学的視点をもってアプローチしていきたいです」

■東京大学文科Ⅱ類2年 半澤友晟くん
「IB教育では主体性が求められます。同じ課題でも、みんな違ったアプローチでプレゼンしていましたが、友達の発表から学ぶことも多かったです。大学でもプレゼンする機会が多いのですが、IB教育を通して基礎力が身についていると実感します」

■お茶の水女子大学文教育学部2年 松尾侑奈さん
「昌平では、答えのない問いについてクラスで討論する機会が多く、『考えること』『話し合うこと』が楽しいと思えるようになりました。大学では信頼できる情報の見分け方など、IB教育で身につけた情報リテラシーも役立っていると感じます」

 


※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

昌平中学校
[学校HP]https://www.shohei.sugito.saitama.jp/contents/jhs/
〒345-0044 埼玉県北葛飾郡杉戸町下野851 Tel.0480-34-3381
最寄駅/
東武日光線「杉戸高野台駅」徒歩15分。JR宇都宮線・東武伊勢崎線「久喜駅」からバス5分「吉羽大橋」徒歩8分。スクールバス:「杉戸高野台駅」から5分、「久喜駅」から10分。

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