私学探検隊

大学訪問授業とTOKO SDGsで正解のない難問に挑む力を育む

学校長の中野浩先生は2019年に就任した際、「1,他者との関わりの中で自己を高めていこう」「2,失敗を恐れず失敗から学んでいこう」「3,一生続けられる好きなことを見つけよう」という教育ヴィジョンを掲げました。「大学訪問授業」と「TOKO SDGs」は、これらの教育ヴィジョンを具現化したものです。

TOKO SDGs 17の目標
「善・悪」や「豊さ」、「自己・他者」「学ぶ」など中高生が興味をもちそうな目標が17

問題や課題に向き合う姿勢も教えてくれる「大学訪問授業」

「大学訪問授業」は中野先生が進路指導部長時代から取り組んできた、20年近く続く名物プログラムです。講師は大学教授をはじめ各界の第一線で活躍する専門家で、中高生たちに大学での講義を行います。生徒たちは講師の先生が楽しそうに話すのを見て、学問や学び続けることの面白さを感じ取ります。これまでにはノーベル化学賞の根岸英一氏やジャーナリストの池上彰氏、音楽家の坂本龍一氏などが登壇したことも。また、これを契機にめざす大学や学びたい学問を決める生徒もおり、進路指導として重要な一面を担ってきました。しかし、中野先生はコロナ禍、ウクライナ侵攻など昨今の社会情勢から、大学訪問授業の新たな意味に気づかされたと言います。
「ここ数年の社会の複雑化・グローバル化は急激です。こういった問題を見ると、改めて答えは一つではないことに気づかされます。大学訪問授業の先生方は、多面的なモノの見方、問題に向き合う姿勢を教えてくれます。問題に立ち向かうには、まずは正しい知識や情報を得ることが重要です。そのうえで根拠を考え、さらに他者の考えを知り、自分の意見をもつ。ただ、複雑な問題に取り組むには時間がかかります。しかし、それが本物の魅力です。大学訪問授業は課題が多い現代だからこそ必要な学びなのです」

大学訪問授業
早稲田大学文学学術院教授のドミニク・チェン先生に「未来をつくる言葉」というテーマでお話しいただきました。単純な便利さや効率の良さとは違ったものを追求する、言葉とメディアのつくる新しい可能性について考える機会となりました。講義の後には自由に質問ができ、この質問をきっかけに講義をしてくださった先生の大学に進学した生徒も

「TOKO SDGs」で答えが一つではない問題に挑む

「TOKO SDGs」(上の表)は、その名のとおり同校独自に定めたSDGs。こちらも中野先生が教頭時代からあたためていたものです。
「国連で採択されたSDGsは、生徒には身近なものばかりではないので、本校独自のSDGsを作りました。17の目標は教員が設定しましたが、それに紐づく具体的な内容は200名のSDGs委員会の生徒たちが考えたものです」
たとえば「格差」というテーマでは「男女」「世代間」「食糧」「経済」といった格差から「なぜ格差が生まれるのか」などの内容などがあり、バラエティーに富んでいます。 「『TOKO SDGs』では生徒たちがLHRや自由参加型のTOKO SDGs講習などの時間を利用して、SDGs委員会が考えた課題に取り組んでいます。まずさまざま資料にあたり、意見を出し合い、時にはフィールドワークも行います。『TOKO SDGs』では複雑化し、答えが一つではない問題に対する向き合い方を学んでいるのです。また、生徒たちには自ら学ぼうという自主性が見られるようになりました。これも嬉しい変化です」
困難な問題に取り組む姿勢は、今後ますます必要となるでしょう。大学訪問授業で大人たちのその取り組む姿勢を見て、学び、「TOKO SDGs」で自ら実践する。学問を究めようとする生徒たちが育っています。

SDGs委員会の様子

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

桐光学園中学校
[学校HP]http://www.toko.ed.jp
〒215-8555 神奈川県川崎市麻生区栗木3-12-1 Tel.044-987-0519
最寄駅/小田急多摩線「栗平駅」徒歩12分。スクールバス:小田急多摩線「黒川駅」から5分、京王相模原線「若葉台駅」から15分。

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