私学探検隊

受け継がれてきた高い志と 時代と共に進化する教育で 生徒がいきいきと輝く学校に

校長の湯浅茂雄先生

来年、学園創立125周年を迎える実践女子学園中学校では、中高大連携や渋谷という立地をいかした企業連携も盛んです。多くの魅力をもつ同校の特徴について校長の湯浅先生にお話しいただきました。

ユネスコスクールとなり
学びの場がさらに広がる
本校は以前よりESD(持続可能な開発のための教育)を学びに取り入れてきました。近年はESDに本校のエッセンスを加えブラッシュアップした「未来デザイン」を独自の探究科目として展開しています。この活動が認められ、昨年11月にユネスコスクールの加盟が決定しました。これにより、今まで以上に世界が抱える問題への関心が高まると共に、身近な問題が世界に通じていることを理解するなど、さまざまな場面で生徒の成長を感じています。
また、中高の有志生徒によるユネスコ委員会も発足しました。早速今年の6月には国際デーのひとつである「世界環境デー」を祝うイベントとして「実践環境WEEK」を実施。CM動画、ウェブサイト、ポスターを作成し、プラスチック問題について啓蒙を行ったほか、コンポストづくり、エコツリーの掲示などに取り組みました。最終日には高校生は講堂、中学生はZOOMで全校生徒が集い実践環境会議を開催。プラスチック問題についてまとめの発表をした後、「一ヶ月プラなし生活」を実践した廣瀬智之氏にオンラインインタビューを行いました。初めての試みでしたが、ユネスコ委員の生徒が主体的に企画・行動してくれたおかげで、全校生徒を巻き込んでのイベントとなり、改めて環境について考え、行動する良いきっかけとなりました。現在は10月の「国際ガールズ・デー」に向けて、後期の委員を務める生徒たちがイベントを企画中です。どのような内容になるのか今から楽しみです。

実践環境WEEK

葉っぱ型の付箋に、環境のためにできることを書いて貼ったエコツリーには、多くの葉が茂りました。

自然豊かなキャンパス内で、コンポストづくりのワークショップ。

実践環境会議は、運営もユネスコ委員が行いました。

3つの特色ある学びで
未来を生きる力を育む
基本となる教科教育に加え、本校では先の未来デザインを含む「探究教育」、「グローバル教育」、「感性表現教育」と、3つの学びの特色があります。
中学1年生から高校2年生までの未来デザインでは、答えのない課題の解決に取り組んでいきます。そのためデジタルデバイスの使い方やブレインストーミングの練習など、これから必要となる基礎力づくりから始め、身近な問題、世界的な問題と段階的に展開しています。高校1年の修学旅行では、自分で設定した探究テーマにあわせて、ニュージーランド、シンガポール、沖縄から生徒自身が行き先を選択します。現地で実際に見て聞いたことと、事前学習の内容を比較しながら学びを深化させ、事後学習として高校2年で成果を発表します。
このようにしっかり体系化することで、自分自身で問いを発見し、思考し、新たな価値を創造する力を育んでいます。目まぐるしく変化するであろう未来を生きる生徒には、培った力をいかし、未知の課題に挑める人になって欲しいと考えています。

多様な体験を通し、「自分の枠を越える学び」を展開する未来デザインは、進路選択のきっかけにも。さらに多くの生徒が培った力を大学入試で発揮しています。

グローバル教育というと、英語力をイメージするかもしれませんが、実践のグローバル教育はそれだけに注力するものではありません。もちろん国籍の異なるネイティブの先生が多数在籍していますから、日常的に英語に親しめる環境が整っています。それに加え、さまざまな国から集まった留学生と3日間にわたり渋谷でフィールドワークを行う異文化体験や、イングリッシュ・サイエンス・キャンプ、海外研修など、コミュニケーションを取りながら多様性や異文化を理解し、受容する心を育む機会を多数設けています。さらに今年度からはネイティブの先生による1日完結型の講座ポップアップ・ワークショップもスタートし、英語を通じて新しい学びに触れる機会がさらに充実しました。

そして、日本の文化を実践的に学んでいくのが感性表現教育です。日本には思いやりを表現する文化があります。専門の講師の方の指導や授業から作法やその心を学ぶことで、他者の視点で考える力や自己理解にも繋げています。
これからは今以上に多様な視点や柔軟な思考が求められると同時に、国内外の人との協働も増えていくことでしょう。

異文化交流プログラムでは「誰もが平等にいきいきと暮らせる渋谷」をテーマにフィールドワーク。留学生と共に学び、考えた結果をプレゼンテーションで発表します。

また、多様化が進む社会の中で、アイデンティティとなる自国の文化理解はとても大切なことです。3つの学びは授業として独立していますが、それぞれが相互に関わり合い、総合的に未来を生きる力の育成となっています。
さらに本校では、学びのアウトプットも重視しています。体験から得たことをアウトプットすることで、思考も整理され知識も定着します。時には新たな発見がうまれることもあるでしょう。生徒は中学生の頃からさまざまな場面で発表を行っていますから、高校生になると大学生に負けないくらいのプレゼンテーションをしますし、パワーポイントの使い方も大変上手ですね。

学祖の志を受け継ぎ
生徒のチャレンジを支援

時代の先陣を切って女子教育に尽力された学祖 下田歌子先生は、16歳で上京する際、「綾錦 着て帰らずば 三国山 またふたたびは 越えじとぞ思ふ」と詠みました。志を遂げなければ二度と故郷には戻らないという歌に込めた決意、「若き乙女の高き志」が本校の原点です。今も下田先生の志を受け継ぎ、チャレンジできる場をたくさん用意しています。そして嬉しいことに、挑戦してみようという心が生徒に根付いています。
今夏、桐蔭学園中等教育学校と共同で模擬国連を主催しました。これも生徒たちの「やってみたい」という思いから実現したものです。先のユネスコ委員会や生徒広報チームJJ BLOSSOMもそうですが、生徒たちは新しいことに積極的に参加し、私たちが驚くほど主体的に考え行動します。今では校風ともいえるこの姿勢も、先輩たちがいきいきと活動し、後輩に良い影響を与え続けてきたからだと感じています。そして、いきいきと活動できるのも、学校に信頼感や安心感があり、良い友達がいるからこそです。

一番の自慢は生徒です

感性を磨き、人間性に磨きをかける感性表現教育では、中1と高1で礼法を学ぶほか、華道、茶道、箏曲、和装着付・仕舞から選択し、専門の講師の方からお稽古をつけていただく日本文化実習も。

渋谷駅から徒歩8分という都心に位置していますが、ゆとりあるキャンパスは25本の桜をはじめさまざまな植物に彩られています。生徒も植物のように一人ひとり異なります。ですから、多様な学びと体験から自分の将来に繋がるつぼみを育てて欲しいと願っています。
説明会でも毎回お伝えしていることですが、本校の一番の自慢は生徒です。ぜひ本校にいらして生徒の姿を実際に見ていただきたいと思います。


※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

実践女子学園中学校
[学校HP]https://hs.jissen.ac.jp
〒150-0011 東京都渋谷区東1-1-11 Tel.03-3409-1771
最寄駅/
JRなど「渋谷駅」徒歩10分。メトロ銀座線千代田線 半蔵門線「表参道駅」徒歩12分。
「渋谷駅」から都営バス「国学院大学前」。

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