私学探検隊

大学進学を見据え、各教科が取り組む細やかな指導

近年、多くの中学校が独自の教育に取り組むようになりました。特に中高一貫校の場合は自由度の高い点が特徴。そんな取り組みについて昭和学院秀英中学校に伺いました。

英語、長文を理解するチカラを習得

中高とも2年次までには所定の内容を終わらせて、先取り授業や受験対策を行う数学

「骨太な英語力ということを念頭に指導しています」と語るのは、英語科の高橋孝夫先生。「それは試験で点数を取れればいいというのではなく、まとまった文章を捉えることができ、相手の言いたいことを理解し、自分の意思を伝えられるということです」。そこで文法的な勉強を早めに身につけた上で行うのが、長文読解や和文英訳。結果として多くの生徒が中学卒業までに英検準2級に合格し、高校でTOEICを目指すそうです。「実際に生徒の英語力も、全体の底上げを非常に実感していますし、海外ホームステイでも問題なく話せる生徒が増えましたね」。最終的な目標は、国立の二次試験や早慶上智の試験問題で見られるような、高度で長文な英語に対しても、怯まないだけの英語力を身につけることなのだそうです。

数学、レベルに合わせたさまざまな取り組み

ネイティブの先生による英語の授業で、話す・聞くのスキルを高める

基礎からの積み重ねが重要な数学。担当の小川清人先生によると、独自の取り組みとして数学コンテストと基礎学力テストを中学で行っているそうです。「数学コンテストは年に1回行っていますが、難易度の高い問題を生徒に解いてもらい、優秀な生徒には賞状を渡して表彰しています」。このコンテストは数学に対して高い意識をもっている生徒を伸ばしたいと、昨年から始めたもの。裾野の広い数学の分野に、早い時期から取り組んでもらうという狙いがあるそうです。「そして基礎学力テストは、名前の通り基礎的な面を重視するテストで、年に3回、英語と国語と一緒に行います。所定の点数に達しなかった生徒は再テストで理解度を深めます」と、生徒のレベルに合わせた取り組みが特徴といえそうです。

国語、作文を通して表現力を磨く

国語の定期考査には「作文」という科目を課しているそうです。「まずは深い読解ができるようになり、最終的には正しく相手に伝わるような文章表現ができることを目指しています」と、国語担当の田中尚子先生。中学では生活作文、そして高校では小論文という形で800字の作文に挑戦。全員の添削と評価を行うので、先生の負担も並大抵ではありません。それでもこの作文に取り組むのは、国語科だけでは終わらない成果があるからです。「大学入試の小論文や、入学後のレポート作成などで非常に役立つという話は、卒業生からよく聞きます」。その能力は大学入試だけでなく、社会に出た際のプレゼンなどでも役立つのでしょう。生徒が書いた優れた作文は、毎年発行される『葦牙(あしかび)』という文集に掲載されます。
このようにさまざまな教科で独自の取り組みを行っている昭和学院秀英。どれも学科の枠を超えて、生徒の考える力を伸ばすことにつながっている点が一番の特徴といえるでしょう。

昭和学院秀英中学校
[学校HP]http://www.showa-shuei.ed.jp/
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☎ 043-272-2481
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