私学探検隊

真剣に取り組むからこそ強くしなやかな心が育まれる 仲間と共に高みを目指す合唱部

美しいハーモニーと共に心を育て人としての成長を促す

かねてより国際教育に力を入れてきた大妻中野中学校は、豊富な留学プログラムに加え、全校生徒の1割が帰国生というグローバルな環境の中、世界基準の視野や思考力を育んでいます。2016年からは「グローバルリーダーズコース(GLC)」を設け、より密度の高い教育を展開。そんな同校ではクラブ活動も盛んで、強豪といわれるクラブが少なくありません。中でも宮澤雅子前校長が立ち上げ、全国大会常連校へと育て上げた合唱部は、学校を代表するクラブのひとつ。現在は宮澤前校長よりバトンを受け継いだ石山明先生、そして五反美千代先生が185名の部員を率いています。
「指導で重きを置いているのは、挨拶や礼儀等、生活への姿勢や態度です。そこがしっかりしていると、こちらの言葉もスッと入っていきます。特に中学生は成長の途中にあり多感な時期ですから、心をどのように育てていくかを大切にしています。練習の中では厳しいことを言うこともありますが、少し大人になった時『こういうことだったんだな』と、気づいてもらえれば嬉しいですね」(石山先生)。「やはり学生ですので勉強と部活の両立は大切ですね。聴く人の心に響くハーモニーを奏でるには、全員がチャレンジ精神と高い意識をもち、協働することが必要です。ですから技術以上に、合唱を通じて人間的に大きく成長することを重視しています」(五反先生)

先輩の姿がお手本に自分の目標にも積極的に行動

合唱部では、中学3年生が1年生とペアになり指導を行う「師弟子」という制度があり、部員数が多い中でも一人ひとりの歌唱力を高めています。さらに、「進路のこと等、少し話しにくいことも、先輩に相談できる関係を築けるのもいいところです」と生徒さんの声があるように、師弟子制度は部員同士の縦の繋がりを深めるという役割も担っています。その繋がりは卒業後も消えることはなく、OGが学校を訪れ指導にあたってくれることもあるそうです。
「こちらの要求がどんなに高くても、生徒たちは達成するために努力を惜しみません。この強い気持ちは、これからも様々な場面で役立っていくものだと思います」(石山先生)。「代表校として全国大会に出場する先輩の姿を見ながら後輩が育っていくので、どの生徒も真剣に練習に取り組んでいます。特に高校生になると、合唱も頑張りながら新しいチャレンジをする生徒も多く、積み上げてきた努力が様々な自信に繋がっているのが良くわかります」(五反先生)。この言葉どおり、英語のスキルを高めてアドバンストクラスから中3時にGLCへと移った生徒。日本代表として官民協働の留学プログラムに参加した先輩等、クラブ活動の中で培った力を基に、生徒たちは自分の夢に向かって歩みを進めています。合唱部同様、それぞれ真剣になれるものがあるからこそ、大妻中野中学校の生徒はいきいきと輝いているのです。

「中学1年生の時、先輩に連れてきてもらった全日本の舞台に立つことができ、先輩と同じ 金賞をいただけたこと。そしてNコンでも好成績を残せたことを嬉しく思います」と、中学3年生は喜びの表情をみせました。

「中学1年生の時、先輩に連れてきてもらった全日本の舞台に立つことができ、先輩と同じ金賞をいただけたこと。そしてNコンでも好成績を残せたことを嬉しく思います」と、中学3年生は喜びの表情をみせました。

2年ぶりの開催となる全日本で金賞
Nコンは中学銅賞、高校銀賞に!

日本最大級の合唱コンクールである「全日本合唱コンクール(全日本)」と「NHK全国学校音楽コンクール(Nコン)」。2大コンクールとも称される両大会に合唱部が出場しました。2年ぶりの開催となった今回。予選では緊張でうまく実力を出せない面もあったそうですが、見事全国大会への切符を手にしました。
 「いつもは仲間がすぐ隣にいますが、今年は感染症対策でお互いの距離が離れているため、生徒はひとりで歌っているという不安感をもってしまいます。だから、『必ず友達はいつも通りに歌っているから、自分もいつも通りに歌う』が合言葉です」と石山先生。五反先生も「いつも通りを忘れずに、本番の舞台で力を発揮できるよう、直前まで自分たちの音楽を追求して欲しいです」と話します。その両先生の思いを胸に舞台へと上がった生徒たちは、みごと全日本で金賞(大分市長賞)を受賞。さらにNコンでは、中学生が銅賞、高校生が銀賞(文部科学大臣賞)という快挙を遂げました。

合唱部の魅力を解明! 生徒さんインタビュー

週5日のペースで練習に励み、コンクール前には自主トレーニングも欠かさないという合唱部は、地域のコンサート、病院でのクリスマスコンサート等、ボランティア活動も積極的に行っています。現在、各パートのリーダーとして中学生をまとめる3人の生徒さんにお話を伺いました。

大妻中野中学校・高等学校合唱部の受賞歴※2020年は感染防止のため全てのコンクールが中止

 中 学 校 

2017年 NHK全国学校音楽コンクール 全国大会出場
全日本合唱コンクール 全国大会出場 金賞受賞
2019年 全日本合唱コンクール 全国大会出場 金賞受賞
岡山市教育委員会賞(全国3位)
2021年 NHK全国学校音楽コンクール 全国大会出場 銅賞受賞(全国3位)
全日本合唱コンクール 全国大会出場 金賞受賞
大分市長賞(全国2位)

 高 等 学 校 

2017年 NHK全国学校音楽コンクール 全国大会出場 金賞受賞
内閣総理大臣賞 文部科学大臣賞(全国1位)
全日本合唱コンクール 全国大会出場
2018年 NHK全国学校音楽コンクール 全国大会出場
2019年 NHK全国学校音楽コンクール 全国大会出場 銅賞受賞(全国3位)
2021年 NHK全国学校音楽コンクール 全国大会出場 銀賞受賞 文部科学大臣賞(全国2位)

入部のきっかけ
S.A.さん 運動部に入部していましたが、幼い頃から音楽が好きだったことや、母が説明会で合唱部の歌声に感動したこと等、様々な要素が重なり1年の夏に転部しました。
N.M.さん 私も転部組で入学時、合唱部に友達がいなく運動部に入っていました。でも、受験生の時に聴いた定期演奏会での歌声が忘れられず合唱部に入りました。
S.A.さん 仮入部の時に先輩が笑顔で声をかけて下さったこと。また、目の前で歌う先輩の姿が輝いて見え、私もそうなりたいと思い入部しました。
心に残った先輩の指導・師匠として心掛けていること
S.A.さん OGの先輩から、たくさん練習をしても失敗することがあるけど、「魅力はミスを超える」という言葉をいただきました。後輩を指導する時も、本番を迎える前もこの言葉を思い出しています。
N.M.さん 自信をもって歌う姿や、わかりやすい指導等、師匠さんには技術面だけでなく後輩への姿勢も教わりました。自分も師匠となった今、その先輩の指導を受け継ぎ後輩に伝えていきたいです。
S.A.さん 中学生だけで90名ほどいるので、パート練習では後輩の歌声をしっかり聴けるよう少人数での練習を心がけています。
勉強との両立について
S.A.さん 授業中は集中して先生の話を聞き、見返した時にわかりやすいノートになるよう工夫しています。また、電車の中や休み時間等、隙間時間をうまく使うように心がけています。
N.M.さん 合唱は体力を使うので、家に帰るとすぐ寝てしまうんです(苦笑)。だから、テスト前に詰め込みにならないよう毎日コツコツ勉強するようにしています。
S.A.さん 課題が少ない時はその日の休み時間に終わらせる等、できることはできる時に行い、自宅では復習に時間を使うようにしています。
合唱部のメンバーの存在とは
S.A.さん 励まし合いながら、目標に向かってみんなで打ち込む。長期休みは家族よりも一緒に過ごす時間が長く、家族と同じくらい大切な存在です。
N.M.さん 練習でつらい時もみんなで励まし合って、賞をとれた時は喜びを分かち合って……。学校生活の思い出の中には、必ず合唱部のみんながいます。
S.A.さん 夏休み期間や休日はクラスの友達より長い時間を共に過ごし、後輩も入部した時とは比べ物にならないくらい仲が深まっています。どんな壁もみんながいるから乗り越えられる、かけがえのない存在です。
練習の中で培った力
S.A.さん 部長になりたての頃は、本当にみんなに助けてもらいました。今は部員をまとめるだけでなく、何かあれば気がついてあげられるような広い視野が培われていると感じています。
N.M.さん 前に出るのが苦手で、リーダーには絶対向いていないと思っていました。でもリーダーとして頑張っていくうちに人前に立って話すことにも慣れ、授業でのプレゼンテーション等、様々な面で役立っています。
学校の魅力
S.A.さん 行事は生徒主体で進めていくので、協働しながら自分たちでつくり上げることができます。また、グローバル教育も充実しているので、世界への関心が自然と高まります。
N.M.さん 中学3年でGLCに移りました。クラスには帰国生もたくさんいて、毎日いい刺激をもらえます。
S.A.さん 頑張ろうと決めたら、それを実現できる環境があります。好きなことも、勉強も本気で打ち込めるのが大妻中野です。

 

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

大妻中野中学校
[学校HP]https://www.otsumanakano.ac.jp
〒164-0002 東京都中野区上高田2-3-7 Tel.03-3389-7211
最寄駅/
西武新宿線「新井薬師前駅」徒歩8分。JR中央線 総武線・メトロ東西線「中野駅」徒歩10分。

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