私学探検隊

併設大学との連携が認められ、スーパーグローバルハイスクールに指定

新規プロジェクト『LABO』

高1では、国内外から自ら研修先を選択する研修旅行を実施する。写真はベトナム研修旅行(プレ研修)

私立女子大学で唯一、文部科学省の「グローバル人材育成推進事業」に採択されている昭和女子大学。その併設校として、4割弱の生徒が同大学に進学する昭和女子大学附属昭和高等学校が、今年度から始まった文部科学省の「スーパーグローバルハイスクール(以下SGH)」に指定されました。
同校は創立以来、思いやりや協調性、リーダシップや責任感など、豊かな人間性を築いていく「全人教育」を行ってきました。そんな「全人教育」にもつながるSGH。今回のSGHへの指定は、同校がこれまで行ってきたことをより深化させるものとなるのでしょうか。高等学校教頭の山下兼彦先生に、指定の経緯や取り組みについてお話を伺いました。
「大学をはじめ学園全体でグローバル化を推進してきた本校では、新たなるグローバル教育をめざしてSGHに応募しました。全国246校の中から56校が選ばれましたが、女子校は本校を含め6校。そんな本校のテーマは、『女子校』や『女子大学の併設校』という特質を生かした『大学や実社会と連動させたデュアルグローバルプログラム』です」(山下先生)
では、具体的にはどのような取り組みを行っているのでしょうか。
「まず、この4月からスタートしたものに、課題解決プロジェクト『LABO』があります。これは、高1と高2の志望者が総合的学習『私の研究』として、女性のグローバルなキャリアデザイン、ジェンダーギャップ、海外で活躍する女性起業家、そして発展途上国における女性のキャリアデザインという4つのテーマに分かれ、研究していくものです。これは、昭和女子大学や企業と連携したものとなります」(山下先生)
『LABO』を志望した生徒には将来、「世界で活躍したい」という生徒はもちろん、「数学が好きなので数学の教師になりたい」という生徒も。また、各々が考える「グローバル・リーダー像」も「やりたいことを探し出し、発揮できる人」「日本文化をよく知り、発信できる人」「パイオニア」などさまざま。「生徒たちは、それぞれのテーマを現実の問題として受け止め、本気で取り組んでいこうと意欲的です」(山下先生)
また、高1と高2の『サービスラーニング』もSGHの取り組みの一つです。
「『サービス』には『奉仕』の意味があり、『ラーニング』は文字どおり『学び』です。自分たちでできる社会貢献活動を実践し、自分たちの『学び』に結びつけて活動を振り返り、自己肯定感を伸ばす取り組みで、こちらもグローバル・リーダーとなる人間性を高めていくものになります」(山下先生)

◆課題解決プロジェクト(LABO)

テーマ 指導
企業や個人で活躍する女性グローバル・リーダーの研究 富士ゼロックス株式会社
日比谷 武 常勤監査役 他
日本人女性のジェンダーギャップの研究 臨床心理士
井上 直美 先生
海外で活躍する女性リーダーの研究 昭和女子大学
国際学科
米倉 雪子 准教授
途上国女性の社会進出課題 昭和女子大学
ビジネスデザイン学科
興梠 寛 特任教授


『五修生制度』も生かして…

山下兼彦先生は教頭のほか進路指導部長も兼任

同校には併設大学への進学を前提とした生徒が、高校のカリキュラムを高2まででほぼ修了し、高3に在籍しながら、昭和女子大学に通う『五修生制度』があります。
「現在、五修生として学ぶ高3の生徒は10数名ですが、SGHでも今後この五修生制度も発展活用していきたいです」(山下先生)
さらに、SGH指定を受け、中学校の「グローバルクラス」も計画中。真のグローバル教育を推進していきます。

 

昭和女子大学附属昭和中学校・昭和高等学校
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