私学探検隊

生徒が〝何ができるようになるか〟に着目し「探究」と「教科横断型授業」をさらに拡大

近年、生徒の45%が理系への進学を叶えている田園調布学園中等部。理系教育に注力する同校では、多彩な実験や体験を通じて理数教科が苦手な生徒の意識をリセット。さらに、知的好奇心を喚起しながら自信を育み、得意教科へと実力を伸ばしています。また、早期から協同探求型授業を取り入れるなど、常に時代の先を読んだ教育プログラムを展開。来年度からは今まで培ってきた「探究」と「教科横断型授業」の範囲を広げ、さらなる深化を目指します。

探究をカリキュラムに組み込み自律した学びの土台を作る

学年ごとにテーマを設けたコアプログラム。約170もの講座から自分の興味、関心により選択し、学年の垣根なく協働しながら進めるマイプログラム。豊かな教養の育成を目的に、ふたつのプログラムから構成されるのが「土曜プログラム」です。来年度からは、高等部1年生のコアプログラムで実施している「探究」を授業として採用し、中等部1年生から展開していきます。
  「定期的に行うことで継続性が出てきますし、生徒もじっくり探究活動に励むことができます」と、数学科主任・入試広報の長岡敬佑先生。数学科・入試広報室長の細野智之先生は、「カリキュラムとして全学年に導入されることで、大学との連携、探究を軸とした課題学習や課題解決プログラムを宿泊行事に組り入れるなど可能性が広がり、我々もワクワクしています」と話します。

驚きと知識をつなげる楽しさ
全教科に広がる教科横断授業

  「いろいろな教科の知識をつなげることで、言葉として覚えていた知識が肉づけされ、より意味のある形で理解することができます。さらに、興味のある教科と一緒に学ぶことで、苦手科目への関心を高めるというメリットもあります。ですから多教科に関わるテーマ、意外性のある組み合わせを意識しています」と長岡先生が話す教科横断型授業。4年前、試験的に始めたのをきっかけに、理数系を中心にバリエーションを増やしてきました。現在は全教科へと広がりつつあり、国語と芸術など文系同士のテーマも行っています。
教科の違う先生同士が対話を重ねながらつくり上げた授業には、新しい発見と驚きがいっぱい。「横断授業やってください」と、生徒からリクエストがあるほど満足度の高いものになっています。「学ぶことの楽しさを知ることで、生徒は自分で学びを進めていくようになります。多様な視点を築く教科横断型授業では、その楽しさも体験させたいです。また、今は我々が説明をしていますが、授業を重ねることで、生徒自身の力で知識をつなげられるようになって欲しいですね」(細野先生)。

探究での学び ~高等部1年生の取り組み~

人文科学探究3、自然科学探究10と、合計13の講座を設定。生徒は選択した講座の中で、課題発見や課題解決に向け、情報収集、整理、分析など、主体的に学びを進めていきます。「講座では最先端の技術や大学で行っている内容など、生徒が少し背伸びをするようなテーマを扱います」と細野先生。
統計検定を推奨している同校らしく、身近なデータを分析する講座もあり、睡眠時間や視聴率など生徒は自分の探究テーマを統計の手法を用いて分析。予想とはギャップのある結果が出ると、さらに問いを立てて分析と、学びのスパイラルアップを実践しています。「今はまとめとしてポスター発表を行っていますが、今後は書く力をさらに高めるためにも、論文形式でまとめられたらと考えています(長岡先生)。

知識の横のつながりを実感「教科横断型授業」

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教科横断型授業は現在26種類。その時々にカスタマイズして、多くの先生が授業を担当しています。高等部2年生の物理×数学の授業では、図形を模った針金をシャボン液に入れ、膜の張り方で力のつり合いとフェルマー点の関係を視覚的に理解。さらに、その特徴から分子の結合や都市計画へと話題が広がります。「他教科の知識を用いることで、私たち教員もより論理的に説明することができます。また、知識をつなげて考える教科横断型授業は、大学入試の総合問題対策にも役立っています」(長岡先生)。

 

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

田園調布学園中等部
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