私学探検隊

読書を深め、プレゼン能力を養うブックトーク

独自科目「国語表現」内で全員が行うブックトーク

ブックトークで発表する中2の生徒。今年度からフリップをデジタル化する試みも行っている

ブックトークで発表する中2の生徒。今年度からフリップをデジタル化する試みも行っている

共立女子中学校では2年前から独自に「国語表現」という科目を設けています。これは「書く力」や「話す力」を養うために国語の授業とは別に中学全学年で行われているもので、週に1時間ずつ、1クラスを半分に分けた人数(20人程度)で行われています。
この授業の中で毎年行われているのが「ブックトーク」です。夏休みの読書感想文課題図書を軸に、生徒それぞれが関連づけたい本を2冊ずつ選び、課題図書を含めた3冊について1人2分間のプレゼンテーションを行います。自分で選ぶ本は、同じ作者の本以外であればジャンルは問いません。紹介の際に自作のフリップを使って説明しますが、このフリップを今年からデジタル化し、スクリーンに映して発表する方法も選択できるようになりました。「アナログとデジタル、それぞれのよさがあります」と広報部で国語科の金井圭太郎先生は話します。発表はわずか2分の時間内に自分が選んだ本とその理由、課題図書とどのような関連性があるのかなどを説明し、その3冊の本を読んでの感想もまとめて発表しなければならないため、時間配分を工夫することも大切になります。また、下1ケタが同じ出席番号の人の発表に対して、コメントシールに感想を書き、本人に手渡します。生徒たちは友人の発表を聞くことで自分とは違った作品の捉え方や感じ方などを知り、大いに刺激を受けるようです。

たくさんの本と出会い、プレゼン能力も磨く

国語科の梶原和音先生は同校の卒業生で、今年度から母校で教鞭をとっています。「ブックトークの授業では緊張して発表の時間がオーバーしてしまう生徒もいましたが、そういう生徒は内容を工夫していることも多いので、最後まで発表するように指導しました」と梶原先生は話します。梶原先生の中高生時代もたくさんの本との出会いがあり、図書室に通うのが楽しみだったのだとか。「私の時代には『読書ノート』というものがあり、読んだ本の感想などを記入していました。現在はそれが『表現ノート』に発展しています」と梶原先生。表現ノートは国語表現の時間に活用されており、読書感想文以外にもさまざまな事柄が書き込めるようになっています。
中1から3年間ブックトークの取り組みを経験した中3の瀬戸山さんは、「中1の時はずっと原稿を見て話していましたが、言いたいことを簡単にまとめて読む練習をしたりするうちにだんだん緊張しなくなり、前を向いて話せるようになりました」と話します。一方、同じ中3の田島さんは「フリップを見やすいように工夫しました。発表前に自宅で練習し、母にアドバイスしてもらったりもしました」と話してくれました。
「ブックトークはプレゼンテーション能力も養います。国語科では高校生になるとビブリオバトルを行いますが、人前で堂々と話せる生徒が増えてきたのは嬉しい手応えです」と金井先生。プレゼンテーション能力は卒業後も必要なスキルですが、ブックトークはそれを身につけるための第一歩となっているようです。

 

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

共立女子中学校
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