私学探検隊

新聞づくりを通して「読む力」と「表現する力」を育て発想・思考が柔らかい時期に多角的な意見を取り入れる

まずは新聞を読むことから自分で読んで“考える”

「目立つように工夫しました」と山本啓竣さん(左)、「わかりやすい言葉選びを意識しました」と明星利奈さん(中)、国語科の佐々木雅章先生(右)

「目立つように工夫しました」と山本啓竣さん(左)、「わかりやすい言葉選びを意識しました」と明星利奈さん(中)、国語科の佐々木雅章先生(右)

昭和学院秀英中学校の総合の授業では、生徒たちが新聞を作っています。新聞というと、小学校の壁新聞などをイメージしますが、こちらで取り組んでいるのは、実際に新聞を読んで、気になった記事について、自分で掘り下げてまとめて作る新聞。つまり、世の中で起こっていることに目を向け、自分の考えをまとめ、それを人にわかるように表現するという作業です。国語科の佐々木雅章先生は「情報化社会では、日々、多種多様な情報があふれています。特に生徒たちにとって身近なSNSでは責任のない情報・言葉も見られ、鵜呑みにするのは危険です。これまで以上に情報の取捨選択や自分の考えをしっかり持つことが大切になってきます。そこで、新聞を読んで自分で考え、その考えに対して、同じ意見や反対の意見など、いろいろな考え方があることを知ってほしいと思い、新聞作りを始めました」と話します。
インターネットやSNSから情報を得るときは、自分の興味のあるものだけを選びがちで、それ以外のことに意識を向けずに済みます。また、自分と同じ意見を見つけて安心できる反面、反対意見など自分とは違う考え方に対して目を向けずにいることもできてしまいます。また、最近は新聞をとらない家庭も増え、新聞そのものを読む機会も減っているのが現状。きちんと取材して、確固たる根拠をもって発信される新聞は、政治・経済、科学や医療、社会、芸能など、多彩なジャンルについて報じています。佐々木先生いわく、「自分の考えを持つこと、自分とは違う意見を取り入れることは、まだ頭の柔らかい中学生のうちにぜひ体験して欲しい。いろいろな考え方があることを知って欲しいと思っています」。

自分の考えをまとめて人に伝わるように新聞を作る

新聞をただ読むだけでなく、新聞作りをするのには、反対意見に耳を傾けることや、自分の意見を伝えることの大切さや難しさを体感する目的があります。自分の考えをまとめるだけでなく、ほかの人(クラスメイト)はどう考えているか、反対意見を聞いていきます。『こんな考え方もあるんだ』『反対意見にはこんな理由があるんだ』ということに気づきます。
また、新聞という形にするためには、どんな構成で、どんな書き方をするのがいいかを意識し、「みんなにわかる言葉を選ぶ」「文字の大きさや配置」「図や表などを用いる」など、人に伝えるための工夫をしながら自分なりの“新聞”に仕上げます。新聞を読むことが特別な経験になっている今、新聞を読み、一つの記事(事象)と深く向き合い、自分の意見をまとめ、それを表現して伝えるという体験は貴重な機会。“新聞”という形に残すことで、生徒たちの中にもより明確にこの体験が残っています。

 

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

昭和学院秀英中学校
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