私学探検隊

グループワークとICTの活用で学び合いをしながら身につける自学自習

ICTも活用しながら主体的に学び、定着させる

逗子開成中学校・高等学校で理科を担当する大里歩先生は、グループワークやICTを活用して学ぶスタイルの授業を展開しています。今回は、大里先生の物理の授業を取材させていただき、お話を伺いました。
大里先生がこのスタイルの授業を始めたのは3年前。それまでは一般的な講義型の授業を行っていたといいます。「当時はどちらかといえば、授業中に生徒が私語をするのが気になるタイプでした」と大里先生。しかし、 Google Educator Group の立ち上げに近隣校の先生と参加したことをきっかけに、生徒が主体的に学んでゆけるヒントをもらったのだとか。「高校物理の授業をアクティブラーニング型にすることに成功した産業能率大学の小林昭文先生の授業をモデルとして、 Google のサービスも活用し、ICTも取り入れつつ、授業を進めています」と大里先生は話します。例えば、授業で使用しているプリント類は生徒たちが各自のIDパスでログインし、ウェブ上で確認できるようになっていたり、定期的な課題や定期試験の振り返りをウェブで提出してもらい、結果をまとめたものを配布したりしています。
大里先生が所属するコミュニティ GEG Kamakura は近隣校とも交流を持ち、オンライン・オフラインともに教員同士で授業改善のための勉強会などを開いています。

対話をすることで気づきをチームで発見する

板書とプロジェクターでの説明後は、演習の時間。グループ内で教え合う

板書とプロジェクターでの説明後は、演習の時間。グループ内で教え合う

大里先生の授業は、生徒たちが自由に作ったグループで行うため、グループの人数はさまざまです。
45分間のうち、最初の15分で板書も取り入れながら、要点の説明、次の15分間はグループで学び合う「演習」、最後の15分で確認テストとリフレクション(振り返り)を行っています。もちろん、理解に時間がかかる場合は、その日のうちに確認テストをせずにじっくりと演習に取り組むことも。演習では、グループの仲間とわからないところを教え合うなど、対話をすることで気づきを発見し、対話によって互いに学びを深めていきます。その間、先生は教室内を巡回し、生徒から質問があった場合は答えではなく答えにたどり着けるようなヒントや、その質問の答えを理解している友達を紹介します。
座学の授業のように先生の話をずっと聞いているだけではなく、声に出して学び合うため、自分が理解しているところ、そうでないところを授業の間に確認することができます。確認テストも必ず生徒同士で採点し合います。そして、最後に毎回、リフレクションシートを書いて提出するので、先生は生徒たちの理解度や感じたことなどを把握することができます。これにより、生徒自身の理解が曖昧なまま進んでしまうことが少なくなり、テストの平均点もアップしているのだとか。「ディスカッションが活発になることにより生徒たちの脳みそがアクティブになり、自ら学ぶ姿勢が育ちます。今後は試行錯誤しながら、授業の研究を進め、本校の他の先生の授業でもこの方法を導入してもらうことができれば」と大里先生。45分間、受け身ではなく常に能動的に動くため、一人ひとりが授業に参加する姿勢を身につけ、理解を深めることができそうです。

 

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

逗子開成中学校
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