私学探検隊

湘南学園ESDが生徒の視野を広げ 将来の選択肢を増やしていく

6年間の発達に合わせて段階的に視野を広げていく

思考力や表現力が問われる新しい大学入試に向けて全国の学校では急ピッチで対策が進められています。そういったなか、公立校で“総合の時間”が設けられるずっと以前から、課題を発見し解決する力を育むための独自の教育プログラムを展開していたのが湘南学園中学校です。
湘南学園の教育の基本となるのが、「持続可能な未来の担い手を育てるための教育」である「湘南学園ESD」。これは、教科教育や総合学習、キャリア教育、行事など、学校生活におけるすべての教育活動の基本であり、国際社会に貢献できる人を育てるための独自のメソッドとして成果をあげています。
湘南学園ESDの要となるのが、各学年の課題に合わせて取り組む総合学習(下記参照)。中学1年では個人の大切さを学び、中学2・3年では学校の外の世界や地域との交流を通じて、自分とは違う世界に住む人たちの多様な考え方に触れます。
高校では日本や国際社会の課題に向き合うことで、徐々に視野を広げていきます。NPOや公共機関などの協力で行うフィールドワークを通じて、立場の違いを越えた問題解決に向けての糸口を考え、語り合います。また、社会で活躍する講師を迎えた講演会や座談会から、卒業後自分を社会の中でどう活かしていくのか、どう社会に貢献していくのかを考えます。
湘南学園ESDで視野を広げ、自分の生き方を考えるなかで、将来をしっかりと意識することは、学業へのモチベーションUPにもつながり、大学や学部、その先の生き方の選択肢を広げることにもつながります。

教科間の連携で課題に深く向き合う

教科を横断した学びも湘南学園の特徴。例えば、中学3年の広島平和学習&瀬戸内海の周防大島民泊体験の事前学習では、社会科で現代史をしっかりと学ぶだけでなく、国語科で『黒い雨』(井伏鱒二著)を読み深め、英語科で被爆者の物語を読み解き、音楽科では被爆者の思いをつづった歌を合唱します。さらに数学科では原発事故が発生する確率を計算し、理科では西瀬戸内海の生物多様性を学習。こうしてあらゆる教科の視点からの知識をつけているからこそ、生徒達は研修旅行で多くのことを学びとり、感じとることができるのです。

湘南学園ESDの新たな取り組み

留学生の受け入れ体制が整っているため、学内にいながらあらゆる国・地域の生徒と国際交流ができる。海外への留学制度も充実している

留学生の受け入れ体制が整っているため、学内にいながらあらゆる国・地域の生徒と国際交流ができる。海外への留学制度も充実している

今後の新たな取り組みとして、1人1台タブレットの導入を検討中。授業時間を効率よく使い、対話・共有の時間の増加が期待されます。
中学2年では湘南地域を活性化するためのプロジェクト型学習が本格スタート。中には、企業と商品開発をする試みもあります。各プロジェクトの資金集めの方法としてクラウドファンディングを利用します。商品化するためのプロジェクトを企画段階から進めて、企業へプレゼン。企業側からの評価や意見を繰り返し聞きながらブラッシュアップして、商品化へ繋げていきます。
また、知識だけではない多角的な視野も身につけるため、中学3年の研修旅行後は作文ではなく、論文形式で成果をまとめていきます。学んだことを文章に落とし込む力は、相手に物事をわかりやすく伝えたり、説得したりする力につながります。これらの力は大学入試や大学生活でも役立つほか、就職活動時にも必要なスキルです。
さらに、学校法人としては日本で初めてプロサッカーチーム「湘南ベルマーレ」とオフィシャルクラブパートナー契約を締結。学校の中だけでなく、地域や社会をフィールドに、先を見据えて学ぶ環境がますます充実しています。
こうした湘南学園ESDの体験から、生徒は大きく成長していきます。

湘南学園だからできる!
すべてをつなげて育む「湘南学園ESD」

80年以上前から続く建学の精神(「個性豊かにして身体健全」「気品高く社会の進歩に貢献できる」「明朗有為な実力のある人間の育成」)は、まさに現代の社会で求められていること。この精神をさらに発展させて「人としての総合力」を養うための仕組みとして「湘南学園ESD」ができ、下のような学習・活動を実現させている。

1   総   合   学  習
フィールドワークや校外の人との会話を通じ、実社会に触れながら、自分と社会の関わりについて考えていく。6年間かけて段階的に取り組むことで、徐々に視野を広げていく。
2   教   科   教   育
教科の垣根を越えたコラボレーション授業を多く展開。ものごとを様々な視点から複合的にとらえる力を養うことで、複雑化する実社会の課題を解決できる人間を育てる。
3   自   治   活   動
湘南学園の学校行事はすべて生徒主体。生徒会活動を通じて自主性を養い、社会とどのように関わっていくか、どのように課題を解決すべきかを自分たちで考えていく。

6年間の総合学習カリキュラム

総合学習では、図のようにそれぞれの年齢の課題に即したテーマに取り組むことで、徐々に視野を広げていく。自分を知ることから始まり、地域を知り、世界を知るなかで、社会とどのように関わっていくべきかを考える。

中1
自分を知り、他人を理解する
自分が生まれたときの様子を家族や周囲の人に聞いてまとめるなど、お互いの違いを意識するワークショップを通じて、自分を知り、相手を理解して認め合うことにつなげていく。
中2
湘南の文化を知る
湘南地域で観光や漁業、農業、環境保護などの分野で活躍する人々と出会い、体験学習を交えながら地域を知る。またグループワークを通じて、人と協力して取り組む力を養う。
中3
東京を知る/瀬戸内海の島を知る
東京下町での産業体験や、科学の先端を担う工場の見学などを通じ、東京の多面性を知る。また、広島・山口での研修旅行も実施。広島県では平和を学び、山口県の瀬戸内海にある周防大島では民泊を経験し、地域に根差して暮らす人々の生き方を学ぶ。旅行後はESDの時間で成果を論文にまとめ発表する。学んだことを文章にして他者に伝えることで、さらに理解を深める。
高1
日本の問題に目を向ける
テーマに合わせてさまざまな施設を訪問。現代社会の抱える諸問題を、基本的人権を柱として見つめ、人間の尊厳を大切にする社会のあり方について認識を深める。
[テーマ/訪問先例]戦争/UNHCR、陸上自衛隊練馬駐屯地 等、環境問題/江ノ島水族館 等、人間関係/チャイルドライン 等、医療関係/県立がんセンター 等
高2
地球規模の問題に目を向ける
国連が掲げるSDGsを中心にして地球規模の課題に目を向け、6つの分野の背景や立場を探りつつ、問題解決の方法を考える。4つの地域から訪問先を選ぶ研修旅行も実施。
[SDGsを考えるための6つの分野]公平・ジェンダー/雇用/環境・生物多様性/食料安全保障/エネルギー/すべての人のための教育
高3
実社会に生きる人々に学ぶ
社会の第一線で活躍する方々の座談会を通じて、これからの時代、どのように社会と関わり、参加していくか、そしてどう社会に貢献していくかを考えていく。
[講師の分野一覧]国際/医療福祉/心理/科学技術/商品開発/学校教育/スポーツ

 

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

湘南学園中学校
[学校HP]http://www.shogak.ac.jp/highschool/
〒251-8505 神奈川県藤沢市鵠沼松が岡3-4-27
Tel.0466-23-6611

最寄駅/
江ノ島電鉄線「鵠沼駅」・小田急江ノ島線「鵠沼海岸駅」徒歩8分。

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