私学探検隊

真の一貫教育、懐の深い「待つ」教育がここにある!

中学での受験生の約80%が第一志望、卒業生の約85%が東海大学への進学という純付属校の同校。真の一貫教育を展開する同校ならではの教育思想を、中学副校長の江崎雅治先生に聞きました。

教育の核「現代文明論」とはどういうもの?

英語教育も理数教育も充実していますが、同校にはグローバル教育やアクティブラーニングといったキーワードはとくにありません。同校にあるのは、それらを包括した「現代文明論」であり、「人間形成」のための指導です。
 「現代文明論」とは、環境や生命、人権、倫理などを学んで幅広い視野に立ち、どう生きるべきかを考える同校独自の教育観のこと。中学では総合学習として実施され、高校からは正課の授業になります。

保育実習で幼稚園児の着替えを手伝う中2。眼差しが優しい

保育実習で幼稚園児の着替えを手伝う中2。眼差しが優しい

中学では、「人間形成」の基盤を築く教育が展開

同校の学習には、幼稚園から大学院までを擁する東海大学の組織力がフルに活用されます。ここでは、中学での実践例をご紹介しましょう。

◆海外の留学生とつながる
 「グローバル教育とは、人と人がつながることの大切さを学ぶことです」と、江崎先生。「何よりも、視覚(見る能力)を広げてあげたいのです」
スタートは、中1の「異文化交流体験」です。世界には言語も文化もいろいろあることを知るためのもので、東海大学への留学生(アジアや中東、北欧など)と交流します。
 「すると、たとえばニュースで良い印象をもっていなかった国の人でも、個人と個人であれば仲良くなれたりします。このように、直接ふれあう国際交流から始めれば、大仰かもしれませんが、それが世界平和につながるはずです」

◆幼稚園児とつながる
中2では、付属幼稚園で行う「保育実習」を体験します。
 「最初は気まずそうにしていた男子が、そのうちしゃがんで園児と同じ目の高さで話しはじめます。また、イモ掘りをしたとき、イモを見つけられない園児に気づいた女子が『こっちにおいで』と声をかけました。取ってあげるのかなと思ったら、土を手で払ってイモが見えるようにして『ほら、ここにあるよ』と、園児に掘らせたのです。このように、保育実習には非常に実があります」

◆社会とつながる
そして、中3は「職場体験」です。OG・OBや近隣の協力を得て、企業やコンビニ、食堂など、生徒たちの受け入れ先は80~130も。
 「体験させていただく職場に、アポイントをとるところから始めます」。たった3日間ですが、人生で初めて仕事というシビアな社会の一端にふれ、体験後には生徒たちの顔つきも少し変わっているそうです。

焦らない。急かさない。だから、素直に伸びていく

 「みんな、一斉に『よーい、ドン!』でなくていいのです。『あなたがジャンプできるときに、最大のジャンプをしよう』というスタンスで生徒たちを見守りたい。教育は『待つ』ことだと思うのです。そのせいでしょうか、本校の生徒たちは、みんな素直ですね」
中高大の一貫教育のなかで、多様な学びの機会を提供しながら「待つ」教育を展開する同校。そこには、懐の深い教育思想がありました。

 

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

東海大学付属相模高等学校中等部
[学校HP]http://www.sagami.tokai.ed.jp/
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