私学探検隊

放課後に大学での学びを先取り体験 長期的な視野の中で中高生時代を過ごす

14年前から高大連携 毎年約200名が参加

高大連携プログラム

日大理工学部に出向いて、高校ではできないような高度な実験をさせてもらえる

両国国技館に隣接し、東京スカイツリーにも近い、創立100年を超える伝統校。校訓は「真・健・和」。「知識を求め、真理を探究する。心身健康で鍛錬に耐える力をもつ。思いやり、協調の心を培う」の意味を表します。日本大学の付属校の筆頭として、高大連携プログラムに力を入れています。
「まだ校長になる前、物理部の顧問だったころ、日本大学生産工学部の授業に生徒たちを連れて行ったことが始まりです」と熊谷一弘校長は振り返ります。2002年のことでした。それから日本大学との連携プログラムはどんどん増え、現在生徒たちには生産工学部、経済学部、法学部、理工学部、薬学部、歯学部、医学部付属病院、医学部リサーチセンターで学ぶチャンスがあります。毎年希望者を募り、のべ約200名の中高生がいずれかの高大連携プログラムに参加しています。
法学部、経済学部、生産工学部では、1年間にわたって大学生と同じ授業を受け、単位認定を受けることができます。医学部、歯学部、薬学部、付属病院、医学部リサーチセンターでは、数日間の体験実習や現場見学をさせてもらえます。

年間約20回大学に通い大学生と同じ実験を行う

理工学部物理学科との連携は2005年から始まりました。理工学部の教員になった同校の卒業生からの提案がきっかけでした。
この「理工学部物理学科研究室体験講座」では、1年間で合計約20回大学に通って講義を受けたり実験させてもらったりすることになります。部活を1つ始めるほどの覚悟が必要です。それでも毎年約20名が参加し、途中脱落者はほとんど出ないとのこと。「進路選びの参考になるのはもちろん、大学生と同じレベルの実験を行うことで、実験のスキルも向上します。私たちの中学や高校でも理科の平常授業の中で実験をたくさん行いますが、より高いレベルの実験に触れることでさらに実験好きになり、中高の実験もそれはそれで楽しんでくれているようです」とは物理部顧問の平山泰行教諭。
2015年度には、科学技術振興機構の「中高生の科学研究実践活動推進プログラム」の支援を得て、3年がかりで高さ20メートルを超える巨大な「フーコーの振り子」を校内に設置するというプロジェクトを開始しました。「おもりは重い方がいいのか軽い方がいいのか、おもりをつるすロープは太い方がいいのか細い方がいいのか、ロープを吊す接続部分の摩擦をできるだけ小さくするにはどうしたらいいのかなど、さまざまな実験をしながら確かめます」(熊谷校長)。

専門分野を極めるには幅広い教養が必要だと気づく

各プロジェクトの進行状況に関しては、まず文化祭で中間発表を行います。プレゼンテーション用のスライドをつくり、来場者の前で発表します。3学期には1年間の総括を最終発表します。「プロジェクトを通して、論文を読みこなす読解力やスライドをつくる技術やわかりやすく発表する表現力なども必要になることを学びます。専門分野について学ぶためにも幅広い教養が必要だと、生徒たちは気づくようです。中間発表と最終発表では生徒たちの態度がまるで違います。その成長を見るとうれしくなります」(平山教諭)。
大学での学びを含めた長期的な視野の中で中高時代を過ごすことができることも、大学付属校で学ぶ大きなメリットと言えるかもしれません。

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

日本大学第一中学校
[学校HP]http://www.nichidai-1.ed.jp
〒130-0015 東京都墨田区横網1-5-2
☎ 03-3625-0026
最寄駅/総武線「両国」駅から徒歩5分、都営地下鉄大江戸線「両国」駅A1出口から徒歩1分